jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

フランスのワクチン拒否は,それがイギリス製だからかも

フランスで,ワクチン接種の段階で接種を拒否し,かなりの数が廃棄されているという報道を見た。1例だけだったが,「アストラゼネカのワクチンはゴメンです」というコメントがされていた。

 アストラゼネカ製ワクチンは現在,若い人で血栓の可能性があるとして,デンマークなど欧州各国で一時接種を止めていた。当初それは,この副反応への拒絶意識から来るものだと思っていた。

 しかしどうもそれだけではなさそうである。アストラゼネカ社はイギリスの企業である。イギリスは2020/12/31にEUから完全離脱した。

 もともと,フランスとイギリスは仲が悪いようだ。筆者が40年前に仕事でフランスに行ったときも,駅で行き先が分からなくなって駅員に英語で尋ねたが,英語は分からないといった表情で無視されてしまった。当時,街中に英語のサインをすべてなくそうという動きもあった。イギリスのEU離脱に関して,3年間もの議論が続き,フランス人にとってイギリスはどうにも受け入れられない人が多いのではないかと思われる。

 そこに,イギリスのアストラゼネカ新型コロナウイルス対応ワクチンが入ってきて,副反応の問題が大きく出てしまったために,拒絶反応が起きているのだと思う。

 他の国に対する価値観は,なかなか変えることができないようである。日本も実は同様ではないか。新型コロナウイルス対応ワクチンも,アメリカ-ドイツ(ファイザー-ビオンテック),イギリス(アストラゼネカ),ロシア(国産-スプートニク),中国(シノバック)が,現在世界で実際に使われているワクチンだが,日本で承認されているのはファイザー-ビオンテック製のみ。続いてアストラゼネカはすでに第1便が届いているため,今月5月中に緊急承認されるだろう。しかし,おそらくロシア,中国のワクチンは日本では承認されないのではないか。

 これは,一つはアメリカとの日米安全保障条約の制約があるからだろう。そして仮に承認されたとしても,国民の意識として拒否する人がそれなりにいるのではないか。

 中国は,積極的にアジア諸国にワクチンを供給している。これを「ワクチン外交」として,将来的に中国の政策に協力してもらうことを目的にしていると考えられている。

 逆に,日本はせっかく世界に向けて貢献できるチャンスを逃してしまった。ワクチンの開発に遅れを取り,量産もまだ始められない。治療薬としてのアビガンは,まず世界に向けて役に立っていると思われる。これに続く治療薬,特効薬を早く開発して,世界に発信すべきだろう。2回目の緊急事態宣言の際に 中国が次の時代を牛耳る前に,日本は「特効薬外交」に切り替えよ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/23 とコメントしていた。今,日本ができることを考えてみた - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/3 の中で, コロナ特効薬「カモスタット」とは 早ければ5月に治験終了、実際に使用した患者の声は(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース がいまのとこと唯一,日本が世界に貢献できる希望であると思っている。