ウクライナ紛争による世界のエネルギー受給の緊張が拡大している。石油も天然ガスも,世界全体での供給量が減り,価格が急上昇している。日本も,ロシアとの関係悪化で,サハリンからの天然ガス供給が減らされることになっている。
地震後1週間経過してのまさかの電力逼迫--LED普及時代に照明消しは効果あるのか。暖房抑制は頑張っても,結局冷蔵庫は電力大食い状態 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/3/23 で福島県の東京電力管内の火力発電所が停止し,首都圏の電力が逼迫した。このときは,国民への節電と他の電力会社への供給依頼で切り抜けたようだが,世界的なエネルギー価格の上昇と供給不足には耐えられない。
これに対して,現在休止している原子力発電所のうち9基を緊急で稼働する準備が進んでいる。ロシアからの天然ガスを使っている北海道では,「節ガス」お願いが出された。ガスから電気に切り替えて節エネ--火で空気が温まると冷房が余分に必要になる - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/7/16。
その後,水素エネルギーへの関連するニュースが複数出ていて,水素燃焼発電への切り替えを提唱する筆者にとっては追い風なのだが,この夏の猛暑日や今年冬の需要には水素発電では間に合わない。
電力会社・電力使用状況(電力需給)グラフ | エレクトリカル・ジャパン - 発電所マップと夜景マップから考える日本の電力問題 (nii.ac.jp) 福島第一原発の事故以来,電力逼迫の際に参照できるサイトである。ここはまた押さえておきたい。
電力逼迫に火力発電所や原発をとにかく間に合わせなければならない状況で,これらが100%順調に稼働するという保証はまったくない。綱渡りの状態にあり,ここは国民が協力する必要はあるのだが,この猛暑日の連続の中で冷蔵庫とエアコンは減らすことができない。特にエアコンをケチることで熱中症患者が増える。新型コロナウイルス感染の第7波がまったく収まる気配を見せない中で,新型コロナの発熱はおろか,熱中症や通常の病気でも,病院の病床が空いていない事態で,熱中症にならないように気をつけるにはエアコンは欠かせない存在になっている。昔人である筆者も,なんとか使用量を減らせないかといろいろ考えたのだが,エアコンと冷蔵庫だけ止めることができない。省エネモデルに交換することぐらいしかできないだろう。
とすると,テレビと照明ぐらいしか節電アイテムを思いつかない。筆者は,現在のようにノートPCでブログを書いている際,画面内にPIP-toolを使ってテレビを表示することで,テレビを点けなくてもいろいろ見ることができる PIP-Toolで「ながらテレワーク」 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/30。昨今,テレビはほとんどが液晶テレビなので電力消費はかなり減っている。
あとは照明である。テレビ局は画面中で盛んに「照明を暗くしている」ことをアピールしている。しかし,照明も日本は戦後は蛍光灯への置き換えが進み,さらに残っていた白熱電球もLED照明に切り替わってきている。多少消しても高が知れている。
その中で,消してほしくない照明が,街灯である。街灯を消すと夜道が暗くなり,セキュリティ上の問題があると思うのである。
個人宅の玄関灯は消されてしまうことが多い。しかし,市町村が設置した街灯は個数が限られているうえに消されてしまうことが多い。企業の看板も消されてしまう。アパートの廊下の照明は点いているが,道路側の照明は消されてしまう。結局,人が歩く道は以前より暗くなっており,歩いて帰るときに不安を感じる。
節約も積み上げれば大きくなる,というのは真実だが,節電と安全のトレードオフをきちんと評価した上で実行しなければ,意味がない。たとえば20m置きに必ず何かの照明があるように自治体や警察,そして自治会などが協力して調査して評価し,安全性も確保した上で街ぐるみで節電するようにした方がいいのではないか。必要に応じて,個人宅の街灯を点ける場合は,手当を出すなども含めて,考えられないかと思うのである。そうすれば,さらに省電力な照明への積極的な交換などが進むことが期待される。
節電ラリーで手当を出すとなると,必ずムリをしてエアコンを停めたりする人が出てくる。やり方がおかしいと思う。