日本の人口構成が釣り鐘型になり、年金や健康保険などの制度が危機的な状況にある。若者が元気がない。
かつては「イエ」があった。家長を中心に、家族で仕事をする。代々の家業を継ぐという文化があった。そこでは家長が絶対権力を持ち、家業を支えるために必要な後継ぎをきちんと作るというのも家長の使命だった。場合によっては、本妻以外の妾の子も入れてでも、「イエ」を守ろうとした。
戦後は、この「イエ」が企業に形を変えた。守るべき家業は同じだが、子供への継承ではなく、給料を払った社員から幹部が育ち、後継ぎになっていく。会社が発展している間はいいが、いったん成長が止まると、求心力がなくなり、崩壊に向かう。
現在は、継続すべき家業もなく、すべて1代限りの個人仕事が中心になっている。自分さえ生きて行ければいいという考えが蔓延し、家族、子孫という発想を支える土台がなくなっている。これが結婚しない、高齢出産、少子化という現象の原因ではないだろうか。
単に、出産費用の補填額を上げても何の意味もない。根本から仕組みを変えなければならない。