jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

EV車への疑問に「タイヤへの負担」を追加--バッテリーの重さ,車重の重さ,そしてバッテリーの寿命で環境に悪い可能性も

EV車のジレンマは,1回の充電でより長い距離を走るには,バッテリーの容量を上げる必要があり,これは車重を重くし,その分,モーターとバッテリーにより負担が掛かる,という点にある。

 さらに,車重が重くなって負担が掛かるのが,タイヤだという。一般のガソリン車に比べて半分の距離でタイヤ交換が必要になるほど,タイヤの減りが激しいらしい。

 モーター駆動は,ゼロ回転のときに最も大きなトルクを発生できる。普通のEV車でも,スタートダッシュで時速100kmに達するまでの時間は,エンジン車最速のポルシェを上回るほどの性能だという。当然,発進時に大きなトルクがタイヤに掛かり,負担は大きくなる。

 車重が重くなると,カーブの外側で踏ん張るために,タイヤへの負担は増える。EV車のバッテリーは床下に置くなど,できるだけ低重心になるように設計されているが,それでもカーブでの遠心力を支えるだけの耐力がタイヤには求められる。

 そして,今のところバッテリーの寿命が良くて3年である。簡単に交換することもできず,またコストもクルマ1台を購入するほどかかる。

 取り外したバッテリーは,これもまだ適切な再生方法がない。再生した材料を使って,またバッテリーを作れるかといえば,今のところノーと言わざるをえない。

 EV車は,排気ガスを出さないから大気汚染の防止にはなる。ガソリンを直接消費しないから,ユーザーがCO2を排出するという問題はない。いかにも環境にいいクルマのように見える。

 しかし,バッテリー製造時にエネルギーが必要,充電のための電力は,現時点では石油火力発電や石炭火力発電によるものが半分以上を占め,化石燃料の消費,CO2排出を別の場所で行っている。しかも,電力供給のための送電設備の建設や維持にもコストがかかるほか,電力の送電効率も100%ではなく,エネルギーの損失がある。

 そしてバッテリーを再生するにもエネルギーが必要,再製造するにもエネルギーが必要,それをしなければ使用済みバッテリーの野積み廃棄,につながる。

 さらにタイヤの摩耗が激しいとなると,維持費も上がるし,タイヤカスによる新たな公害も発生する。また,タイヤのパンクやバーストによる事故も増えることが懸念される。速度ゼロ時に最大トルクが発生するとなれば,誤って発進した際に急加速する結果となり,事故の確率はさらに上がってしまう。

 補助金を出してまで普及に躍起になる政策は,太陽電池パネル同様,結局は10年後には廃棄物の山を放置することになるのではないか。

 このように考えてくると,小型バッテリーと発電用小型エンジンを搭載した日産のe-power方式が絶妙に思えてくる。エンジンが車体を動かす方式にくらべて,動力伝達機構が不要になり,ただエンジンが回転して発電しているだけでいいからである。専用の高効率な小型エンジンを開発すれば,車重を重くすることなく,EV走行はできる。もちろん,排気ガスは出るが,ひょっとするとオートバイのエンジン程度の容量で済むかもしれない。

 あとは,よりハイパワーな固体電池の実用化で軽量バッテリーを搭載することだが,実用化には時間が掛かりそうである。安全性評価もまだ完全ではない。しかし,中国がまた量産に着手したという話もある。日本は,研究室段階での評価が長すぎる。チャンスをすぐに海外に取られてしまう。

 ならば,超小型・高性能な発電用エンジンを開発し,バッテリー駆動ハイブリッド車として世界に提案してはどうだろうか。発電用エンジンとして,ロータリーエンジンが復活する動きもある。また小型エンジンなので,人工ガソリンなどの合成燃料が少々コスト高でも使える可能性がある。

 2つのタイプのハイブリッド車を開発した日本である。ここは,ハイブリッド,e-powerで世界に勝負すべきタイミングだと思うのである。そのための「トヨタ」「ニッサン」なら全面的に応援したい。