トラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示(2024年問題)がいよいよ来月4月から施行される。知っていますか?物流の2024年問題 | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Association (jta.or.jp) では,ガイドラインを説明したPDFをダウンロードできる。発送(荷主)側,受取(顧客)側も,協力して,置き配や宅配ボックスなどへの対応などを心がけたい。と言っている筆者だが,問題のある顧客なのかもしれない(Amazonをスーバーのように使っている現状を考えなおす--分散された業務で効率は上がるのだろうか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/2/29)。
ある宅配業者と,電話連絡というアナログ的な方法で配送状況を確認するという作業をした。東京都内で筆者のところで1件を受け取り,その一部を再梱包して発送し,沖縄まで送る,という必要があったからである。
まず,最初の荷物は,荷主が千葉県内で夕方18時過ぎに宅配業者に渡された。集荷登録があったのが18時50分である。これが東京都内の同じ区内の営業所に運ばれ,そこから配達に回ったのが翌日の朝7時20分と記録されている。
ところが,「区内の営業所」と書いたが,実際に同じ区内に住所があるわけではなく,隣の区の配送センターからの配達である。地域で受け付けた荷物や他県から送られてきた荷物を集めて配送先別に分類するために,広い敷地とベルトコンベアによる仕分け設備,そして配送用のトラックが集まったトラックヤードなどを備えていると思われる。受け取りをする場所まで,ほぼ直線で移動して30分というところにある。
ところが9時を過ぎても荷物が届かない。「区内の営業所」に電話を掛けてみると,すでにトラックは出発しており,到着予定は11時30分から12時にかけてだという。トラクが出発してから4時間もかかる計算になる。
実際に届いたのは少し早くて10時50分だった。アナログ的に電話を掛けたことで,ドライバーに頑張ってもらったのかもしれない。
次にこの荷物を大急ぎで再梱包し,近くにある同じ宅配業者の「サービスセンター」に手で持ち込んだ。受付は11時15分。午前中に受け付けられたので,送り先の沖縄に航空便で翌日の午前中に配送できるというので,指定便をお願いした。
これが先ほどの区の配送センターで集荷登録されたのが12時50分。さらに大規模なセンターを通過したのが16時20分,そして沖縄の配送センターに届いたのが,翌日の朝1時30分である。
ところがこの沖縄の配送センターからの出発が10時と記録されている。地図を見ると,受け取り先とこの配送センターは歩いていける距離にあった。ここでも電話で確認したのだが,やはり到着予定は11時30分から12時にかけてだという。確かに午前配送の指定便なのだが,なんとも納得が行かない状況だった。最終的には,電話が功を奏したのか,10時20分に配送完了された。こんな無理を言う顧客がいることも,運送業界に負担を掛けている原因の1つなのだろう,と反省している。
それにしても,早朝にトラックが出発するケースを見ると,おそらく交通量が比較的少ない時間帯に,できるだけ遠くの受取人のところまで移動しようというルート設定が浮かぶ。つまり,配送センターから遠い順に配達されるということなのだろう,と邪推する。
筆者の自宅から自転車で行ける距離に,今回とは別の宅配業者の配送センターがある。上記の「翌日配達」と書かれていても,到着するのはたいてい夜の20時ごろになる。こちらも,遠い順に配達ルートが設定されているようである。
1人当たりの労働時間を減らすと,カバーする範囲が狭くなる。働く人を多く使えば配達範囲を狭くして対応できるが,人件費も車両台数も増えてコスト増になる。その分は運送料金の値上げとなるのだろうが,それでもカバーしきれない問題があると考えられる。再配達にも,センター留めで受け取りに来てもらうにしても,対応する人が必要になり,待ち時間という労働時間が増える。
駅に宅配便ロッカーが設置されてからもう数年も経過すると思うのだが,一度も利用したことがなく,またコンビニでの受け取りも数回にとどまる。近年は,家の敷地内に置き配してもらうことが増えたが,「車庫」と指定するとクルマの後ろのごちゃごちゃしたところに置かれたりして,恥ずかしい思いをすることがある。いちおう,簡易の置き配ボックスは買ってはいるのだが,玄関先に置くと場所を取るのが難点で,家族には評判が悪い。
宅配便ロッカーも,筆者の年代だと郵便局の私書箱のイメージと重なり,怪しげなモノを購入して受け取るような気分になる。駅の宅配便ロッカーだと,多くの人が横を通る中でスマホなどで操作する必要があり,これも何となく後ろめたく感じてしまっている。コンビニ受け取りはさらに,コンビニの従業員に余計な仕事をさせてしまっているようで,申し訳ない思いもする。
大手通販サイトが,翌日配達保証をやめる決定をしたことは大きい。各配送センター間をつなぐトラック便の積載効率を上げることができるからである。そのあとの個別配送についても,置き配,センター留め,宅配便ロッカーなどをもっと積極的に活用していきたい。検索してみると,筆者の自宅のある市内に50個所の宅配ボックスがあった。ただし,筆者が使えるのは最寄り駅にあるボックスだけのようである。
ただ,実際に4月以降,配達の遅れなどに懲りて宅配便ロッカーの利用比率が上がると,ロッカーの設置個所を増やす必要が出て,これがまたコスト増につながらないとも限らない。当日の再配達は全廃し,どうしても受け取りが必要な場合は配送センターでの受け取りのみとする,といった割り切った経営が必要なのかもしれない。そして,指定日配送については,割増料金を設定する必要があるだろう。郵便物の速達料金と同様である。
郵便料金もすでに2023年10月1日から書留・内容証明・国際郵便など郵便料金の一部を値上げしたのに続き,2024年秋から手紙とハガキの料金もそれぞれ,84円から110円へ,63円から85円へと30%以上の値上げが予定されている。年賀状を出す人がますます減るかなと思う半面,筆者のような年寄にとっては,通知がすべてメールになることですでにパニック状態になっていることも確かである(ハガキや手紙で届いても,整理しきれていないのだが,メールだとすぐにスルーしてしまう)。
こういう状況を整理してくれるAIアシスタントがほしいと思ってしまうが,それでは老化が促進されてしまうのかもしれない。