jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

マイナンバーカード健康保険証の認識有効は24時間--毎回認識が必要という面倒なことが発覚

筆者はマイナンバーカード推進者の1人であり,カードの取得から確定申告,公的振込口座の紐づけ,そして健康保険証との紐づけを積極的に進めてきた。おかげで,キャンペーンの恩恵はすべて受けないままである。いつも損している。

 マイナンバーカード健康保険証(長いが,結局“マイナ”短縮形がまかり通るのが残念--正式名称がやってられない - jeyseni's diary 2024/12/4に書いたように,短縮形は使いたくない)も,当初は読み取りの機械が高額のために医療機関での設置が進まなかったが,ようやくなのか仕方なくなのか,ほぼどこでも読み取り装置が置かれるようになった。

 ところが,マイナ保険証、スマホ搭載は25年春にも iPhoneとアンドロイド同時に - 日本経済新聞 (2024/9/30)の記事だと,スマートフォンで健康保険証機能を使える仕組みは2025年春から実証実験が始まるようだが,現在のカード読み取り装置とは別の装置が必要になるようで,医療機関にはさらに負担になる。しかも顔認識が基本になるのが気になるところである。

 さてそんなマイナンバーカード健康保険証だが,個人的に1つ厄介な場面に出会っている。同一医療機関保険診療の受診では,これまでは「健康保険証は毎月確認が必要です」と,月の最初に提示すれば,同じ月の中なら2度目は提示する必要がなかった。月初めには「健康保険証を見せてください」とよく声をかけられたものである。ところが,マイナンバーカード健康保険証の場合,「認識して24時間で登録が切れる」というのである。1日に2回も同じ医療機関にかかることは基本的にないので,結局毎回,カードを認識させる必要がある。

 以前も書いたが,マイナンバーカードでの顔認識は,登録時に提出した顔写真のデータとの照合になる(いや,ひょっとしたらカード表面に印刷されている顔との照合なのかもしれない)ので,現在のスマートフォンでの主流の3次元顔認証に比べると精度が低いことが考えられる。さらに暗証番号での認証では,キーボードがオープンな位置にあるので,他人からの簡単に覗き見されてしまう。認証精度やセキュリティが相当甘いのである。そのカードの認証を毎回しなければならないとすると,個人情報の漏洩の機会が倍増するということになる。月に2回以上受診する可能性は高いからである。

 スマートフォンで認識する場合,かつての新型コロナウイルス対応ワクチン接種で発行したようなQRコードスマホで表示し,これを読み取らせるという方法が取られると考えられるが,これも情報漏洩や悪用の危険性がカードよりも高くなる可能性が高い。スマホを乗り換えたときなど,情報が残ってしまう可能性があり,それが転売されて漏洩する可能性もあるし,ほかの取り引きの際にマイナンバーカード情報も一緒に提示させて情報を読み取るなどという犯罪が起きる可能性もある。便利かもしれないが,ここは物理的なカードで認証する方法に制限すべきではないかと思うのである。

 何でもかんでもスマホでできるようにするというのは,日本人の単純な発想である。日本人がみな基礎教育を受けて誰でも複雑な仕組みを理解していると思い込む上層部のおろかな発想である。何でもデジタル化すればいいというものではない。便利なモノはそれを悪用するヤツが必ず現れる。

 いや,便利な仕組みを推進すればするほど,その抜け道も見つけることができ,悪用したくなるという幼稚な発想の上層部が多すぎる。それが日本がハラスメントの温床になる原因でもある。できない人,能力の劣っている人を蔑み,いじめ,搾取する。政治家,経営者,警察などの制服組,弁護士などの法曹者,教員など資格を持った人たちが,一般人に対して優位な位置に立って差別をする。政治家の裏金,銀行員の横領,理事長の賄賂や還流など,一般人から見たらあきれてモノが言えなくなる。有名タレントによるセクハラと,それを擁護するメディア,そして自分は無関係とばかりに手を引く広告主と広告代理店・・・。すべて,事が発覚するまで甘い汁を吸っているだけではないか。

 マイナンバーカードによって,ようやくアメリカのグリーンカードレベルの個人認証ができると思っていたのだが,国民全登録がまだ済まず,犯罪抑止効果も手続きの簡便化効果もほとんど役に立っていない。日本はコンピュータの扱いがやはり下手なのではないだろうか。そして,雨後のタケノコのように,1人が前に出ると我も我もと同じ行動を取る。しかも後出しジャンケンで有利な立場にあるはずが,後出しで何を出せばいいのかを思考する知能すら衰えてしまっているのではないのだろうか。

 「14人が縦に並んでいます。あなたの前には7人並んでいます。ではあなたの後ろには何人いるでしょうか」という問題を正当できない中学生が3割,小学生では7割が間違えるというのである。これはクイズではないし,思いつきでもない。論理を働かせることができるかできないかということなのだそうだ。