jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

結局“マイナ”短縮形がまかり通るのが残念--正式名称がやってられない

あくまでも正式な呼び方は「マイナンバーカードの健康保険証利用」のはずなのだが,どの政府機関のホームページにもマスコミも「マイナ保険証」と記述している。ここには「マイナンバーカード」と「健康保険証」のそれぞれの短縮形をさらにつなげたという横暴さがある。

 “マイナカード”と呼ぶなかれ--「マイナーカード」に聞こえてしまう - jeyseni's diary (2023/6/15)と書いた。マイナ保険証がまかり通るようになって,逆に「マイナンバーカード」は正式に長いまま記述されることが多くなったように思う。勝手なものである。

 そもそも,「保険証」で持ち歩くのはたしかに健康保険証ぐらいで,生命保険証も損害保険証も家やクルマに入れたままで普段提示することもない。だから「保険証=健康保険証」としてしまうのは横暴だと思うのである。

 銀行のキャッシュカードやクレジットカードにもICチップが埋め込まれ,磁気テープで認証する機会も非常に減っている。筆者の場合もスーパーでTポイントの認証に使うぐらいである。それほどICチップへの移行は一気に進んだ。さらに,暗唱番号による個人認証から顔認証,その他の生体認証(指静脈パターン,手のひら静脈パターン)への移行も進んでいる。

 しかし,マイナンバーカードは暗証番号(記号+数字)認証か顔認証かの二択である。おそらくマネはできないと言われている指静脈パターン認証に比べて,認識精度に疑問が残る。しかも,近年のスマホで採用されている3次元顔パターン認証ではなく,ICチップに登録した顔写真データと照合しているだけと思われ,マスクを着用しての認識ができないケースも聞く。筆者も常にマスク着用なので,暗証番号での認識を選んでいるが,医療機関でのこのキー操作が完全にオープンなのも気になる。医療機関の受付周辺は誰でも入ることができるし,待ち時間が長いからずっと立っていてもおかしくない。付き添いだと言えばそれまでだし,小型の隠しカメラでもあれば簡単に暗唱番号を記録されてしまう。医療機関ですら導入をためらう高額な認証機器なのに,このずさんさはどうだろうか。

 「マイナンバーカード」だから変に短縮されて“マイナーカード”と呼ばれてしまうから,「MNカード」にしてはと1年半前に提案した。これが通っていたら「MN健康保険証」と呼ぶこともできたかもしれない。しかし「マイナ保険証」と言ってしまうと,せっかくのマイナンバーカードが単に医療機関の受付カードだけにしかなりかねない。一方で,各医療機関の「診療カード」は別途必要なので,これまでの健康保険証,健保カードを同時に出すだけの方が,ユーザーにとっては手間がかからない。

 同様に,電子マネー系も複雑になっており,清算レジで「電子マネー」+「ポイントカード」+「追加ポイントカード(dカードなど)」をスマホ上で切り替える操作を何度もしなければならず,レジの効率は下がっているようにも感じる。連携を取るための設定もできるはずだが,面倒かなと思ってしまうのは,年寄りだけだろうか。正直,「ポイ活」で生活しているという人の話題を見ても信じられない思いである。

 まず,「マイナ保険証」という呼び方をやめた方がいいと思う。あくまでも「マイナンバーカード」という個人のIDカードが必要な国になったのだ,という認識に切り替えた方がいい。アメリカの「グリーンカード」という身分証明書と同様に,「これがなければ学校にも行けず,就職もできず,家も買えない」というシステムにしなければならない。その上での「国民皆保険」という世界にも誇れる医療体制が維持できるのではないかと思うのである。

 「マイナンバーカードを持っていれば,だれでも気軽に医療を受けられる」という国が支えるシステムを崩さないのなら,「マイナ保険証」という呼び方は無くて済む。しかし,すでに健康保険制度そのものが財政破綻を来たしつつあるし,年金制度も破綻しつつある中で,国はマイナンバー制度でどこまで国民の保護を続けることができるのだろうか。あるいはもっと徹底的に学費ゼロ,医療費ゼロの代わりに高率税金,年金ゼロという北欧的な政策に転換するつもりなのだろうか。

 何でも言葉を短縮して喜んでいる国民性が,いつの間にか破綻し,「絶滅危惧種日本人」などと言われるようになっている。第三次世界戦争が勃発したらまず最初の標的となるのも日本である。「日本国民としての身分証明」を本当にマイナンバーでできるのか,もう一度真剣に考えて,再度システム構築をし直すべきだと感じる。