出し渋りコメは政府が買い上げで再販すべき--随意契約米を入れた平均価格算出はフェイク - jeyseni's diary (2025/6/2)と書いた後,コメの市場平均価格がどんどん下がっている,という報道が続いている。
この計算には嘘があると書いた。平均価格の算出に備蓄米を入れているからである。
しかも、店頭に置いたコメの総量なのか、販売された総量なのかによっても、答えが変わってくる。
後者の販売実績で計算すると、備蓄米が飛ぶように売れている一方で銘柄米は少ししか売れていない状況を反映できない。売上から米だけを抽出して計算すればいいだけなので、こちらのほうが楽なのだが、実態に合わない。
結局、1種1袋で計算して合計しているだけなのではないだろうか。備蓄米も入り、銘柄米も少し値下がりしているので、トータルで下がるという仕組みのように見える。従って平均価格は無意味だと言える。
筆者ももちろん関係するのだが,「平均所得」「平均給与」というのもほとんど無意味な数字だと思う。かつては,平均所得を超える生活をしていて多少は優越感も覚えていたのだが,現在はほとんど最低水準の収入で生活をしている。同じ会社に勤めていても,年齢や職務によって給与は違う。大企業ならボーナスが出るが,中小企業ならボーナスなど夢のまた夢である。しかも現在は,副業収入があったり,場合によっては投資収入も加わってくる。何が平均なのか,まったく意味が分からない。
これらはすべて,役人が作った「数字のマジック」だと思う。路線価も上がっているが,これも固定資産税徴収のための基準化であり,上がれば上がるほど税収も増える。だから路線価が上がることが望ましいと考えるのが役人である。トップの数か所の路線価も上がっているのを聞いても,ケタが違うので一般人には無意味である。
平均所得も,経営者から農林水産従事者,そして株などの投資家まで含めての平均の意味があるのだろうか。
コメの市場平均価格も,備蓄米が市場に出たために下がり始めた。しかし銘柄米の価格の下げは緩慢である。その平均を取っても意味がないと思うのである。正直,庶民の価格実感を反映しているとは思えない。米穀専門店,大手スーパー,コンビニなど,販売形態によっても販売価格や販売する銘柄,その等級もすべて異なる。これらの平均を取ったとしても,何の意味があるのだろうか,と思ってしまう。
もちろん,数字をつかむことは重要である。どこでその数字をつかむかがポイントとなる。時代の変化に合わせて,ポイントも変更していく必要があると考えるのだが,おそらく何の変更もないのだろう。