jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

1964年東京オリンピック映像のシンプルさに“感動”

2021/7/22。東京オリンピック開会式前日だというのに,NHKで1964年開催の東京オリンピックの開会式,閉会式の映像が流された。また日本テレビでは,1998年の長野冬季オリンピック開会式での航空自衛隊ブルーインパルス」演技を時間ピッタリに競技場上空で展開するための裏話が再放送された(本放送は2019/2/7)長野五輪開幕式 “世界のオザワ”の正確さが活きた思わぬエピソード|THE突破ファイル|日本テレビ

 東京オリンピック1964については,さあ,家でオリンピックを楽しむぞ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/10 にも紹介した。美しい行進だったことは,「集団行動」が取れなくなった人類 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/10/11 にも紹介した。中継のカメラワークもシンプル,演出もシンプルだった。

 閉会式の映像では,参加選手がバラバラに和気あいあいと入場する様子が映されていた。そして閉会は聖火の炎がゆっくりと小さくなり,ほとんど真っ暗闇の中に会場が沈んでいき,最後にトラックを取り巻くように松明が揺らめくという,キャンプファイヤーの終わりのような静かな雰囲気だった。実に感動的だった。

 日本全国を回った聖火リレーも,聖火台に点火するのも,そしてブルーインパルスパイロットも,みんなハツラツとした若者だった。

 東京オリンピック2020の聖火リレーは,結果として多くの区間で公道でのリレーは中止になった。しかしそのランナーは,年配者がかなり多かった。ユニフォームもダブダブであった。1964年の若者たちによる颯爽とした聖火リレーとはまったく異なるヨボヨボ聖火リレーに映った。しかも最終の開会式を走る聖火ランナーに、松井秀喜氏(47)、長嶋茂雄氏(85)、王貞治氏(81)が含まれるという。

 この演出の目的はいったい何なんだろうか。「平和の祭典」と言えるかもしれないが,「スポーツの祭典」とはもはや呼べないのではないか。ただの“忖度”ラインナップではないか。

 北京オリンピック2008では,LEDディスプレイを駆使した超ハイテクな演出に度肝を抜かれた。本来なら,日本がこのハイテクオリンピックを演出してもよかった。東京オリンピック2020は,何をテーマに演出しようとしているのだろうか。

 すでに,クリエーター,ミュージシャン,お笑い芸人と,日本の新しい文化を代表する演出家が次々に過去の不祥事によって辞任した。開会式の演出のリハーサルを見ると,「和の文化」の素晴らしい演技のようだが,なんだか統一感がない。

 開会式は夜20時のスタート。ブルーインパルスが五輪マークを描くのは昼間で,開会式とのリンクもない。演出が骨抜き,音楽なし。今の日本を象徴するように,演出までヨボヨボなのではないかという心配がある。各国メディアにどのように映るのだろうか。