jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「メタバース」--クラウドに続いてまたまたネーミングで先を越されたと感じるIT

「CES2022」という展示会がアメリカのラスベガスで1/5~7に開催された。CESとはConsumer Electronics Showだが,ほぼITの展示会である。今回は2年ぶりのリアルな開催である。

 ITといっても,パソコンやゲームだけではない。2021年はドローンが続々と登場したし,2022年は電気自動車も出品された。ソニーの電気自動車も展示された。

 2022年の目玉は「メタバース(Metaverse)」。「超~」「高次~」「~の間の」「~の後ろの」「~を含む」を表すmetaと,宇宙universeを組み合わせた造語だという。

 筆者の解釈だと,VRvirtual reality,仮想現実)は自分を中心にして目の前に仮想の空間を再現するもの,Metaverseは,さらに自分もその仮想空間の中にいるような高度な没入感を得られるものというイメージで捉えた。これまでの視覚中心の仮想空間だけでなく,力覚や環境,ニオイなども再現する。ゲームなどの作られた空間映像だけでなく,仕事場や観劇といった感覚の伴う空間を再現する。

 VRでは,アバターと呼ばれる自分や相手の分身キャラクターが使われることがあったが,Metaverseでは分身キャラというより自分そのもの,相手そのものが仮想空間に出現するということも実現している。

 Facebook社が,社名をMetaに変えたことで話題になり,Metaverseという言葉がCESのキーワードにもなってしまった。うまいネーミングだなと思った。

 ネーミングで言えば,2000年代に入って使われた「クラウド」も,実にうまい。2006年にGoogleが使い始めたとのことだが,これはやられたと思った。イメージにピッタリなので,他に言い換えが効かない。「Web」も,ネットワークが蜘蛛の巣のように張り巡らされる状況をイメージさせられる。これもうまい。どうも,IT系のネーミングは,海外に分がありそうである。

 ただ,Metaverseには企業名が入っているという印象も強く,この言葉を使いたくないという企業も出てくるのではないだろうか。筆者もたとえば「VR universe」と言った言い方をしたい。というのも,カタカナにした「メタバース」の後半がbirth(誕生)をイメージするからである。ではヴァイオリンと同じように「メタヴァース」と言うかといえば,たぶん言わない。「ユニバース」は馴染みの言葉なので,問題なく響く。

 VR universeでは,感覚的には自分が裸でその空間に投げ込まれたような感覚になるのではないかと思う。zoomによるテレビ会議は,自分と自分の背景の空間だけに気をつけていればいいが,VR universeでは自分の部屋ごと空間に入ってしまうので,結局は出社したときのように服装や髪型,行動すべてに責任を持つ必要がある。アバターの動作があまり活発でなければ,寝ていると判断されて評価を下げてしまうかもしれない。常に前進しなければ負けてしまうゲームのようなものとなり,筆者としてはできれば遠慮させていただきたい。

 新型コロナウイルス関連では,「フルロナ(Flurona)」という言葉が聞かれるようになった。インフルエンザとコロナに同時に感染することだとされているが,筆者にとっては語呂が悪すぎる。「L」と「R」が続く言葉では「フロリダ(Florida)」と同じ組み合わせなのだが,英語圏の人にとっても,違和感があるのではないかと思ったりする。ちなみに,ニュースメディアはこぞってFluronaという言葉を使っているようである。

 同時に感染することは,本人にとっては不名誉なことであり,何か特別な言い方で言われるのは心外なのではないか。メディアの横暴のような気がするので,できれば使わない方がいいと思う。

 筆者もこのブログでいろいろな言葉を発明している。黙歩、黙乗のお願い--黙食と合わせて「3黙」を次の目標に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/12/8,「くしゃみ3回,テレワーク3日」の提案--冬場ですから、くしゃみ、咳の人は休んでほしい - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/12/2。バズらないから仕方がない。