2022年1月2日以降,COVID-19の感染確認者数が1日で2倍,1週間で15倍~40倍と急拡大している。2022/1/9の数字では,全国での感染確認者は8249人。東京1223人,沖縄1533人など,1日に1000人以上という数字が出ている。
一方,東京の入院数は1/9段階で724人。このうち重症者は4人である。しかし,自宅待機者が1148人,宿泊療養が1174人,そして調整中が1915人もいる。
東京の場合でも,病床の確保を第5波の時の最大数である5000床近くまで 増やす用意はあると言われているが,果たして間に合うのかも気になる。
しかし,今回のオミクロン株では,酸素吸入を必要とする中等症患者も少なく,また人工呼吸器やECMO(人工心肺)を必要とする重症患者はほとんどいない。オミクロン株そのものの性質か,ワクチン接種の効果か,重症化率はいまのところかなり低い。
一方,沖縄のように医療関係者が感染確認されたり,濃厚接触者とされたりして,今日時点で500人近くの医療関係者が診療や治療に関われないという問題が生じている。感染力そのものの強さはデルタ株の数倍はあるためである。
もう一つの朗報は,オミクロン株の感染の波が各国で比較的短期間に収束していることである。アメリカでは2021/12から増加を続け,2022/1/3に最大117万1378人の感染確認者が出たが,2022/1/5には30万5100人と減り続け,1.5ヶ月でピークアウトしてきている。南アフリカも2021/11/24にオミクロン株発見を発表してから,12/12に37875人まで感染確認者が増えたが,2022/1/9には4482人と,こちらも1.5ヶ月で収束しつつある。いずれもワクチン接種率がそれほど高くなく,デルタ株の感染でも危機的な状況になったが,この時の集団免疫がワクチン接種と同等に功を奏した可能性もある。
医療関係者が感染によって足りず,病床が満杯になりつつある沖縄をまず救うために,東京の医療リソースを提供してはどうだろうか。まず,病床数マックスの5000床をすぐに準備し,沖縄で入院が必要な患者をすぐに入院させる。入院日数も5日ぐらいと短いので,東京の患者も同時に看護できる。ここはオールニッポンで医療リソースをシェアし,1.5ヶ月で収束させる道を選んでほしい。日本だけが,オミクロン株で数ヶ月の大きな波を招いてしまっては,マスク装着率の高さでデルタ株を唯一抑え込んだ「日本モデル」がウソだったことになる。