jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

組織に与(くみ)するのは“政治屋”--政治家ならベンチャー精神で初心に戻り,組織を切ってでも自分の理想を追求してほしい

安易な気持ちで政治の道を目指していないだろうか。○○党という組織の数合わせになることが政治家になることだと言えるのだろうか。さらに票集めのために○○教という組織とも癒着するような選択までできるのだろうか。

 人は,学校で勉強をした後,社会人として仕事をするようになる。仕事をするのは,1つはおカネを稼いで独立するためである。

 そして仕事とは,1つは他の人が必要とするものを供給することである。その代償として報酬というおカネが得られる。もう1つは,自分の好きなこと,主に芸術や芸能を極めることで,他の人に評価されることで報酬が得られる。

 前者は,会社などの組織に属したり,自ら起業してビジネスモデルを築いて,社会に対して価値を届け,その報酬を受ける。後者は,我が道一筋であり,評価されれば続けられるが,評価されなければ苦難の道となる。

 現在,多くの日本人は大学や高校を卒業したあと,就職という形で企業や公共機関などの組織に所属する。所属する時点で報酬額は決まる。安定した収入は得られる可能性は高いが,自分に合った仕事ができるわけではない。いきなり新製品を開発する部署に配属されるわけでもなく,配属されたとしても資料づくりの補助やの資料の整理といったサポート業務から始まることが多い。この下積みの期間の長さや仕事の内容,上司や仲間との人間関係などにより,仕事を続けられるかどうかが決まってくる。近年は,2~3年,極端には1年以内に会社を辞めて転職するケースも増えている。

 一方,ベンチャー企業を立ち上げる場合は,基本的には自分のやりたいことにすぐに着手でき,やりがいのある道である。しかし,資金面や認知度,業界内での立場などによって押しつぶされる危険度も高い。同じ思いの仲間が集まってくれなければ,すべて1人で実行する必要がある。よほどの気力と体力,そして実力が伴わなければなかなか成功しにくい。

 政治家を目指す人は,社会を良くし,問題を解決するという高い理想があってほしいと思うのである。政治家って楽しい仕事のはずでは - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/11/12。1人1人,政治や社会に対する思いは違うはず。自分だったらこういう社会を作りたい,という信念の下に,政治の道を目指してほしいと思うのだが,実際はそうではないようである。

 1つは,○○党に属することで安定した立場と社会的信頼性を得ることが第一目標のようになっている気がする。これでは,一般のサラリーマンと思いは大差ない。

 現在の大手一般企業も,創業時はいわばベンチャー企業である。その後,規模の拡大と経営者の代替わりに伴って,その企業理念が失われ,惰性で動くだけの経営になりがちである。○○党も,多数派工作のためだけの頭数集めと票集めだけの惰性組織に成り下がっていないか。一時期,多くの新党が自由民主党から分かれたが,結局は連合政権しか形成できず,内部分裂してしまった。政策で戦おうと本当に考えたのだろうか。

 ベンチャー企業であれば,自分1人が頑張れば道が開ける可能性がないとは言えない。しかし政治家は,選挙で票を集めなければ政治家になれない。票を集めるために,○○党に加わり,また○○教などの組織票に頼るという悪循環が起き,当選した場合は○○党や○○教の影響を否応なしに受けることになる。

 そういう意味では,日本維新の会都民ファーストの会など,創業党首のリーダーシップや政策論争が自ずと票を集めた。自民党統一教会公明党創価学会というまったく政教分離ができていない組織が政権を握っている。

 結局,カネの原資である地元の支援者の利益や,○○教などの支持組織の利益がまず優先されてしまい,国政は二の次になっているのではないか。

 また,政治家という専門職としてのプロ意識に欠けているのではないか。自分の活動に関わる法律に対してあまりにも無知ではないか。公設秘書も結局は政治家を目指しているはずなので,本来はきちんと仕事をすべきだが,そこは法律の間をかいくぐるような仕事しかしていないのではないか。

 現在の日本の国政を担う政治家のほとんどは,各都道府県のリーダーを勤めていない。したがって,誰を大臣に選んでも,基本的に政治はできない。官僚の言うなりとなる。そしてその経歴づくりに関わってくる資金源や組織票のために正常な判断ができなくなっているように見える。

 選挙で票が得られなければ,自分の理想の政治はできない,というのが今の政治家の現状である。しかし,筆者の理想としては,まず当選するまでは組織の力を借りるとしても,いったん政治家となったからは,自分の政策論を展開し,その政策で人の信頼を集めることで,2期目は自らの実績で勝負すべきだと考えるのである。その理想が貫けず,また国民の賛同が得られなければ,そもそも自分の政治家としての素養がなかったと諦めるべきではないのだろうか。

 岸田二次内閣での大臣更迭ドミノも,なるべくして起きてしまったような気もする。要するに,残念ながら今の政治家で身ぎれいな人はほぼいないと言えるだろう。

 アメリカの大統領も,伝統的に州知事経験者が選ばれて来た。いわばリーダーとしての経験者である。トランプ前大統領は,企業トップの経験を政治の世界に展開した。成功したかどうかは別として,これまでの政治とは異なる1つの確固たる方向性を示し,国民の半分の支持を得た。

 今の日本の政治家に,日本の方向性をきちんと主張できる人物がいるだろうか。なんでも多数派工作しかできず,世界に通じる政策を出せないと思える。

 戦争後のエコノミック・アニマルだった時代は,大きな組織が牽引してきた。今は世界に対して明確な方向性を示せる個人としての政治家の出番だと思うのである。新型コロナウイルスの感染拡大当初,各地方自治体で独自の戦略で立ち上がった若い知事の皆さんや,次の世界をリードできるエネルギー,食糧技術を持った企業経営者にも,日本の中央の政治に参画してほしいと思うのである。