jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

仕事に誇りがあってもペイがなければ人材不足に--仕事作業量をApple Watchで計測しAIでペイを決める方法を提案

日本中が人材不足だと悲鳴を上げている。学校の先生,保育園の保育士,病院の医師や看護士,製造現場,そして研究者。また日本を守り,災害救助に携わる警察官や消防士,自衛隊員も不足していると報道されている。食料を供給してくれる農業,水産業の従事者も不足しているという。

 業務の量が変わらないとすると,働く人が少なければ必然的に1人当たりの業務量は増える。1人の業務の量が増えるのに給料が増えなければ,不満は膨らむ。その先に離職があるとすると,働く人はさらに減り,1人当たりの業務量はさらに増え,不満がさらに膨らむ。こういったマイナスのスパイラルに入ってしまう。

 離職以外に,業務中の不満のはけ口が仕事の相手や外部に向かうことも増えている。教員や保育士による子供への暴力,看護士,介護士による患者・利用者の殺害,警察官や消防士,自衛官による犯罪も報道されている。

 一次産業(農林水産業),二次産業(工業)では,人材不足を海外からの人材で補ってきた。彼らにとっては,自国で働くよりも高い給料を得られるというのが理由だったが,昨今の円安によって日本で働く魅力は減っている。日本人労働者よりも人件費を抑えるという理由は通らなくなってきている。しかも,残念ながら日本人が外国人を100%受け入れるマインドは高くない。外国人労働者に対する待遇を高める余地も減っている。

 基本から考え直してみると,仕事をする理由はお金を得ることである。ならば,組織は労働者に対して提供される労働力に見合った給料を支払わなければならない。支払う給料の原資は,組織の収入である。会社であれば売上を上げることである。公共的な組織の場合は,適切な税金収入を得ることである。

 企業の場合,売上を上げるには魅力的な商品の開発とその販売が必要になる。特に販路としては,外貨を稼ぐことが求められるので,輸出できるものを開発して,海外に買ってもらう必要がある。

 企業が売上を上げ,収益を上げることで,働く人の給料が増え,したがって労働意欲が上がり,さらに生産性が上がるというプラスのスパイラルが発生する。外貨を獲得することで,国のGDPは増え,これによって企業から多くの税金を収めてもらえ,これによって国が潤い,公共的な組織に働く人にも正当な給料を支払うことができる。

 円安や,製造業の海外流出によって,企業によるということ外貨獲得は非常に難しくなっている。国の税収は上がらない。そのしわ寄せの一つが公務員の給与ということなのだが,企業と違ってリストラができないのが悩みである。しかし,減ることのない給与を払うことによって,国民や市民に対する必要なサービスに使える予算が減っているのではないか。サービスの質や量が低下し,国民や市民が不満を覚え,結局それが行政に対する不満として苦情が寄せられる。しかし公務員側は業務範囲外だと突っぱねてしまう。これでは不満が不満を呼ぶというマイナスのスパイラルになってしまう。

 一方で,公務員の業務も増え続けている。破産して潰れることがないため,同じ仕事を定年まで続けていれば,あとは一般企業よりも高い年金生活で過ごせる,というのが公務員のこれまでの魅力だった。経済がどうひっくり返ろうと,公務員の生活は安泰で,安定した仕事だからである。しかし,業務の電子化に伴って,業務内容もそれを覚えることも増え,漫然と仕事をしているわけにはいかなくなった。きちんと業務をこなして当たり前としか,市民からは思われないので,達成感もない。不満をぶつけられても反論することはできず,ストレスは溜まる。こちらもいいことは何もない。

 と,ここまでの議論はどの評論家もするが,結局何の解決策にもならない。「給料を上げた方がいい」とも言われるが,それは当たり前であり,しかしその額を決める基準もないし,原資もないから,実現することは難しい。常に空論だけが飛び交っている。したがって,「18歳以下の子供全員に月5000円,初年度は6万円を一括給付」とぶち上げた小池都知事の暴論のような政策が結局は評価されることになる。根本的な解決にはならないが,少なくとも法人税や固定資産税の規模は他の府県とは比べ物にならないために実現できるアイディアである。

 さて,実現には少し時間がかかるが,1つのアイディアを思いついたので提案したい。それは「仕事活動量に応じた給与の算出にビッグデータを使う」というアイディアである。

 筆者はAndroid派(というかアンチアップル派)なのでApple Watchを知らないが,息子は絶賛しており,筆者の妻にも勧めている。2022年あたりからのCMでうたっている健康管理機能が面白いのと,メールなどの通知のためにiPhoneを開くことが激減し,スマホ依存でなくなったからだという。

 スマートウォッチの24時間測定が「目からウロコ」 - jeyseni's diary 2021/2/5 と,筆者もスマートウオッチデビューはしていた。しかし残念なことに腕時計をする習慣から遠ざかってしまったので,感覚的に使用をしなくなった。すでに報告したとおり,その1年後には筆者を除く家族全員が新型コロナの陽性となり,体温測定などのニーズはあったのだが,家族には提案できなかった。

 で,Apple Watchに戻ると,日本のスマホ人口の2/3を占めるiPhone所有と同時に,Apple Watchも着用してもらい,業務中の活動量を計測してデータを蓄積するのである。計測項目として,心拍数,体温,血圧という健康管理系に加え,移動距離,移動速度・加速度,手足の動作量,トータル運動量(カロリー消費量),会話量,キーボード操作量,マウス操作量,PC使用時間と負荷(自動処理を含む),を提案する。

 正直,筆者も自分の仕事作業量はそれほど多くないと考えている。というのも,頭で考えている比率が高く,結果として文字を打ったりする時間は短いからである。人から見ればのんびりと椅子に腰掛けてボンヤリしているように見えるかもしれない。実際,何もしていないタイミングもあるが,だいたいは次に何をするかを頭の中では考えるという知的作業だと思っている。これを評価されないのは厳しいが,業務によってその係数は変動するだろう。ただし,現在は基準がまったくないので,オーバーワークになってしまうため,これを評価するためにビッグデータを活用し,AIによって適切な係数を決めていく方法が必要だと思うのである。

 一般企業でも導入してもいいが,係数はかなりバラつくだろう。やはり公務員や公立教員,医療従事者,介護従事者,警察・消防・自衛隊など,一般市民を相手とした業種でまず導入してはどうだろうか。おそらく,医療関係者よりも介護関係者が同一かそれ以上のペイが必要と判断されるだろうし,教育関係者は日々の作業量に加えて仕事の結果としての人間育成への貢献という大きなファクターを加えなければならないだろう。単に仕事の誇りだけでなく,それに見合った報酬を与えなければ,建設的な仕事などできない。

 この流れの中で,どこに仕事の流れの問題点があるのか,そのカイゼンの方法や合理化の方法なども,可視化できると考える。子供全員にタブレットを配布して結局遊びにしか使われないようにするよりも,教師にApple Watchを配って仕事を正当に評価する方が,将来の人材育成には効果的ではないだろうか。先生方には,正当な評価を得られるまで頑張ってほしい。