jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「生」「産」を考える--今の日本人に足りないモノ

今朝、歩きながら「生産」という言葉が頭に浮かんだ。筆者の頭の中では「モノづくり」が基本なのだが、どちらも「うむ(生む、産む)」であることを改めて認識した。この言葉を創ったのは誰だろうか。

   ヒトにとって、新しいことを考える能力は他の生き物にない特徴である。文化、文明、産業などをまさに生み出してきた。今の日本人に足りないのが、この「生産」ではないだろうか。

   人口減少は、子どもを産まなくなったからである。人口の増加や長生きが善と言われた時代でなくなった。長生きしても、なかなかいいことがない。認知能力は衰え、世話をしてくれる身内もいない。介護施設で無気力にただその時が来るのを無感動に待つだけの後半人生は、幸せとは言えない。結婚して家族を作って、バトンタッチしてきたはずが、バトンが渡っても自分を見捨てて行かざるを得ない状況が分かっていれば、誰も家族にならない。

    創造力によって新しい価値を生み出すことも,ヒトの生き物としての本質であり,他の生き物にはない特徴である。かつて人類は,骨の髄にある栄養を取るために骨を砕く道具を考えた,と考えられているし,「必要は発明の母」とも呼ばれ,さまざまに工夫された製品が営々と作り続けられてきた。

 江戸時代には,リサイクルの考え方が江戸の街中では活きていた。モノを燃やした灰を回収して肥料にするなど,物質循環社会の考え方が生きていた。

 ところが,現代社会は,物質がうまく循環していない。「自然に帰る」ものがなくなり,リサイクルできていない。「リユース」も叫ばれているが,単に別の使い方をプレゼンして「どうだ偉いだろう」と言わんばかりの使い方であり,最後はゴミとして廃棄される。

 特にリサイクルできないモノが,プラスチックと化石燃料,そして核である。SFでは,いずれも「最終的にロケットに積み込んで,太陽に打ち込んで処理する」みたいなほぼ実現不可能な話でごまかされて,延々と作り続けてしまっている。微生物が分解してくれるだろうとか,やはり微生物が新たに燃料を作ってくれるだろうとか,研究者は言っているが,30億年分のエネルギーをわずか100年でほぼ使い切ったことになり,これを取り戻すには3,000万倍のエネルギーが別途必要になる。別の惑星が衝突したぐらいではこのエネルギーを取り戻すことはほぼ不可能である。

 今,ヒトが頭を使って生み出そうとしているのが,「仮想空間メタバース」「仮想マネー」そして仮想頭脳である「AI」である。この仮想の世界は,現実の世界のエネルギーをつぎ込んで無限の情報やマネーを生み出すことができるが,現実社会へのフィードバックはゼロである。人々が生きるための食糧も生み出さないし,地球温暖化に対する答えも出さない。ヒトの理知が生み出したルールやマナーといった制限枠もなくなり,暴走と犯罪の温床となる。何のコントロールも効かなくなる。これはヒト・人類が作り出すべき世界なのだろうか,と思ってしまう。もはや,人類とは別の生物(?)に進化して暴走しているように見えるのである。

 日本は,「核」を平和利用にだけ使う,と宣言したにも関わらず,結局は核をリサイクル(無害化)する技術を開発しなかったうえに,メルトダウンという最悪のシナリオで核物質を撒き散らすという愚行をしてしまった。これでは,核兵器を使うな,といくら叫んでも,「日本も核を撒き散らしている」と言われては返す言葉もない。人道的というより,地球に対して必要な開発ができていないということである。核を処理する技術がなければ,世界各国で引き続き開発が続けられている核兵器を,安全に無害化することはできない。いずれは腐食し,そこから核物質が漏れ出し,最終的には人類を含む地球の生物の危機となってしまう。

   仮想の世界で恐らく大成功する人たちがいるのだろう。筆者から見れば、それは裏社会であり、ほぼ犯罪行為である。マフィア、暴力団、特殊詐欺集団が、マネーロンダリングをし、違法に麻薬ビジネスをしているのとあまり見えない変わらない。インサイダー取引を堂々としているのと同じである。

   平和ボケした日本人が、同じことを追いかけてももう追いつかない。ならば、リアルな地球を救う「モノ」を他国に先駆けて開発し、生産し、供給することが、日本として生き残れる道である。このブログで繰り返し主張している陸上養殖、微細藻類養殖、そして水素燃焼発電である。

   しかし、日本でのみ、特殊詐欺が横行しているのは、実に恥ずかしい。さらに、暴力的な強盗、傷害が加わってきた。銃による無差別犯罪が多発するのも、時間の問題に思える。そんな情けない日本にどうして成り下がってしまったのだろう。

 リサイクルできない「プラスチック,化石燃料,核」を本気で使わないことを模索する必要がある。それが「人類の新たな知恵」である。概念的には簡単に言えるが,もちろん代替案を出すことも難しい課題だし,それを実行することも難しい。物質文明に毒されて人類が後戻りできなくなっているからである。しかし,そこで頭を使うかどうかで,方向が変わってくることへの期待がある。しかし,本当にこれが最後のチャンスになるかもしれない。

 いずれも「代替」を考える研究が続けられてきた。代替プラスチック,代替燃料は,コストがかかる。10倍,100倍は当たり前なのが現状である。これをコストを引き下げるために「量産」する道が選ばれるが,これでは間に合わない。結局,安く作ってきた元の素材の方が有利だからである。

 ならば,100倍の素材でも大丈夫なように,「利用を減らす」ことを考える。スピードを1/100にするのである。

 移動のスピードを1/100にする。すでに完成した通信インフラを100%活用することで,移動頻度を1/100にする。航空機の運行を1/100にするなどである。

 新型コロナの影響で,世界中の人間の移動が1/10になったが,環境破壊は止まらなかった。必要な食糧や物資の移動だけに限定し,旅行などはメタバースにすればいい。

 プラスチックによる恩恵は,腐敗の原因となる細菌を遮断し,劣化の原因となる酸素を遮断することである。これを紙とアルミ箔の包装にすべて代えることを考える。プラスチック包装の代わりにアルミ箔と紙箱(板チョコ方式)--プラスチックの透明性は不必要と気持ちを切り替えよ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/6/4。

 計算速度を上げるため,スーパーコンピュータなどでは半導体素子を冷却するのに膨大なエネルギーが使われている。これもいったん止める。あらゆる高速計算によるシミュレーションが,経済も災害予測も残念ながらまったく答えを出せていないことを認識し,いったん止めることを考える。天気予報は,人間の勘や生きものの行動の観察によって行うこれまでの方法でも,十分な確率でできるはずである。

 今,何をすべきか。科学技術は,ほぼ行き着くところまで到達した。これ以上,遠い星を観測して得られるモノは何もない。エネルギー効率の低い空飛ぶクルマの開発は中止すべきである。エネルギーの無駄遣いであり,しかも危険な交通手段であることを再認識すべきではないだろうか。

 「立ち止まる勇気」を示せるのが,日本である。「核を止める」宣言をすべきだし,実際に原発も止め,その処分技術は速やかに開発すべきである。そして,「エネルギー1/100」「スピード1/100」の世界を作るためのシナリオを速やかに提案すべきである。

 無意味な戦争を続けている国に,「先進国は不幸になる」ことを示し,100年前の地球に戻る気持ちを持つことの尊さを示すべきである。