持ち歩きができるモビリティはないかと,いろいろ考えたことを書いた。折り畳み自転車が最もありえそうな解答ということになっている。
しかし気になっているのが電動キックボードである。相変わらず,運転者としてはクルマに引っ掛けられる危険が,また歩行者を引っ掛けてしまう危険があり,基本的には乗りたくないのだが,かなり長距離を楽に移動できる点は魅力がある。重さも15kg前後で,折り畳み自転車とほぼ同等で,持ち運びも可能と思えた。
都内では,LOOPというレンタル電動キックボードをよく見かけるようになった。本体が想像以上に大きく見えたが,構造はボード部とハンドル部とシンプルなので,折り畳めば持ち歩けるのかもしれないと思っていた。
電動キックボードは初めての規格なので,さすがにポチっとするわけにはいかなかった。実物を一度見て触れてみたかった。しかし近所の自転車店には置いていなかった。検索してみると,大手家電ショップで取り扱いしているという。自転車を販売しているコーナーに置いてあった。
自転車はおそらく100台以上展示していたのだが,電動キックボードは4台だけだった。いちばん期待していた価格のリーズナブルな電動キックボードを早速持ってみて,驚いた。ハンドルを持ってもビクともしないのである。
自転車の場合,フレームにハンドル,タイヤと重さが分散しているのに対し,電動キックボードはタイヤも小さく,ハンドルも小さい。つまり,重さがステップ部に集中していることになる。自転車がフレームを三角形にするなどで強度を持たせられるのに対し,電動キックボードはステップの部品1枚で体重を支えなければならないので,厚い金属構造になってしまう。これがすっと持ち上がらなかった理由のようである。
もちろん,ハンドルを畳み,そのハンドルをグリップすれば,持ち上がると思われるが,片手で運べるようなバランスではなさそうである。
スケートボードや子供用のキックボードのイメージで電動キックボードを検討すると,思わぬ落とし穴があることになる。
結局,携行および移動で合法的かつ安全なのは,折り畳み式の自転車一択になりそうである。一時期流行ったローラーシューズも,もはやまったく見かけなくなったのだが,そういう選択肢もあってほしかった。