東京オリンピック2020の開催まであと3日。明日2021/7/21には,ソフトボールの競技が福島県で始まる。各国選手団も続々と来日している。開会式のリハーサルも行われ,都内を中心とした交通規制も始まった。関係者は盛り上がり,警備も強化され,開催に向けて緊張の高まる数日だと思われる。
一方,開催国の日本や世界各国では,COVID-19のデルタ株変異ウイルスの勢いが止まらない。無観客での開催で会場への人の集中はなくなったものの,COVID-19に関しては「安全安心な大会運営」の保証がいまだにできていない。
筆者の周りでも,COVID-19への対策をほとんどしない人がいる。大人数でのお酒のある会食をする人はさすがにいないが,マスク着用も鼻出しのいい加減というような人たちなのだが,2年の間にCOVID-19には感染していない。「ロシアンルーレット状態」と言っても別に気にする様子もない。高齢者枠でさっさとワクチンも打てたので,ますます自由に振る舞っている。オリンピック運営においても,たとえ関係者に陽性者が出ても,これで感染が広がることはない,との楽観論で「一度決めたから開く」というだけで,物事が進んでいるようにしか見えない。
筆者の懸念は,いくつもある
・入国時や合宿先,選手村において,すでに陽性確認者が50人以上出ている。
・選手村への出入りが,「15分ルールで外出可」(その後,見直し)なほか,デリバリーやボランティアの立ち入りはスルーされている。
・各国で感染拡大が続いており,首脳クラスの来日が限定的になっている(自国内の政治が優先--ごく当たり前の判断である)。
・開催国である日本,特に東京都内で,感染者の増加がすでに約1ヶ月間続いており,第5波が確実に広がっているように判断できる。
7/22のサッカー競技では,感染確認者3人と濃厚接触者18人の南アフリカチームと日本チームが対戦する。陰性者が13人以上いれば,試合は行われる。しかし,この状況で「感染していない」と完全に証明することは難しく,試合時に対戦相手である日本チームが感染を受けないのか,受けたらどうなるのか,などの心配がある。まさにロシアンルーレット状態である。
開会式も,ソーシャルディスタンシングを取りながらの行進だというが,観客もいない国立競技場で盛り上がろうと思えば選手同士で会話するしかない。ここでの感染リスクも考えられる。行進でスタジアムに出てくる前のスタンバイ時が密になっていることも考えられる。
これらの心配事は,可能性のあることだが,ロシアンルーレットで弾が飛び出さないという賭けの範囲で進められ,結果として「感染はなかった」で終わるかもしれない。しかし,オリンピックとは関係なく,感染者数は増加の傾向が見られる。
バッハIOC会長が,プライベートジェットで広島に行ったかと思ったら,今度は明日7/21に福島に行く。自らは移動制限というルールを最初から守っていない。
選手団は,国の威信を賭けて来日するが,COVID-19への感染のリスクは,ワクチン接種率が低い日本では,3密を避け,マスクを着用し,アルコール禁止,時短などで乗り切ろうとしているが,増加傾向が止まらない現状で,東京の感染確認者が1日に1000人超えの状態も続いている。
「何も意地になって開催しなくていいじゃない」と思ったりする。