jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

Amazonサイトのオレンジ色のポップアップは「ブラウザの機能拡張」で“あるものを削除”で解決

インターネット時代になって便利になった半面,いろいろな予想外の出来事に巻き込まれることがある。かつてはコンピュータウイルスが脅威であり,今でも情報を抜き出したり,パソコンを動かなくしたりする悪質なウイルスが世界中を混乱させている。脆弱なパソコンを乗っ取ってそこから大量のメールを発信するなどして,企業や公的機関のサーバーをダウンさせるという悪質なものも多い。ウイルス対策ソフトとのイタチごっこが延々と続いている。

 さて,おそらくここ1年以内と思われるが,Amazonの商品サイトを開いたときに画面の右側と下側にオレンジ色のポップアップが表示されるようになった。同じ商品の最安値サイトを表示する機能を持っているのだが,画面の1/3ほどを埋めてしまうので,正直言えば困っていた。従来からあるポップアップ広告は,カーソルを特定の位置に動かしたときにポップアップするが,カーソルを別の場所に動かすと消える。今回のポップアップは,これとは明らかに違う強引な表示方法である。

 同じ悩みで質問が飛び交っている。複数のサイトの情報を見て試してみたが,効果がなかった。進化しているのかもしれない。

 今朝ほど,別の場所にその原因を見つけたので,報告することにした。従来報告されている方法で解消できる場合もあると思われるので,順番に簡単に列挙したい。なお,筆者のPCは,Windows 11にアップグレードしてある。

Windowsの「拡張機能」-「アプリ」 で[E START]と[E STARTアップデートセンター]のアプリをアンインストールする。

Windowsの「拡張機能」-「アプリ」 で[買い物ポケット for Windows]をアンインストールする。

③ブラウザの「拡張機能」 で[買い物ポケット]を削除する。

 筆者がWebサイトで見た対策は①②までだった。これまでも,だいたいこの方法で対応できていたのだが,指定のソフトが見つからなかった。今回も見つからなかったのであきらめていたのだが,②で「買い物ポケット」というキーワードを見て,ブラウザの機能拡張を調べたところ,同じ名前の機能拡張が見つかったので,削除したところ解決した。

 「E START」は,正直言って昔から評判の悪かったJWordの機能拡張で,フリーウエアをインストールしようとするとかなりの確率でインストール要求されてきた。あまり考えずに[OK]を押してインストールを進めていくと勝手にインストールされてしまい,日本語変換を乗っ取ったりしてきた。単にアンインストールしても消えないことが多く,ユーザーの悩みの1つだった。その後,どうも大手ソフト会社GMOが提携したようで,[E START]のインストールとともに,GMO開発と思われる「買い物ポケット」が同時にインストールされる仕組みになっているようである。

 「買い物ポケット」はGMOが引き続き提供しているが,広告表示をさせる手段としてJWordからADsolutionという広告効果を出したい企業にとってより強力な限定サービスに移行している。

 メディアにとって,広告は最大の収入源である。筆者が手掛けていた紙媒体でも,ページの左右の1/3や下2/5といった部分広告も誌面に入れていた。記事を読んでいる人の目に必ず触れるし,一方で面積は少ないので広告費は安く,広告出稿をしやすいという設定なのだが,編集屋の筆者にとっては余計なスペースに見えた。6ページの記事があったとして,1/3広告が1本入れば600字も編集のスペースが減らされてしまうからである。読者も,必ず欲しいと思わせる広告ではないことが多く,迷惑をかけていたと思っている。

 インターネット時代に入って,Webサイトの運用に関わった際,広告側からはポップアップ広告の設定を要求されたが,マウスカーソルの位置によって大きく開くポップアップ広告は評判が悪かった。結果としては,サイドコラムにバナー広告としてアイコンを表示し,必要な人がクリックして広告を見られる方式に落ち着いた。1箇所で複数の広告が順番に表示されるロータリーバナー広告も採用された。ポップアップはWeb時代の初期段階からどちらかといえば禁じ手だった。

 今回のオレンジポップアップは,関連サイトへの誘導リンクではあり,多くは「最安値」サイトへ飛べるものだが,ふだん普通に使うEコマースサイトで表示されても,他のEコマースサイトへ飛ぶことはまずない。そのリンクを強制的に開いたまま表示させるという手法は,やはり「迷惑」と思われても仕方がないと感じる。正直,この仕組みが大手企業であるGMOが開発したと思われることに,かなり戸惑いを覚えたので,今回あえて取り上げることにした。

 リアルな世界における広告代理店の広告手法も,最近はセンスがないと感じる。特に,映像を激しく切り替えるフラッシュ広告は人間の脳機能への悪影響があるのに平気で使っているし,一時期禁止されたはずの子供にセリフを言わせる広告もいつの間にか使っている。逆説的なあるいは自虐的な文言を投げかけたりするのも,正直,終末的な危機感を覚える。

 今回は,Eコマースサイト間の戦いにGMOが加担した形かもしれない。ブラウザ間でもMicrosoftGoogleの間でポップアップによる強制誘導が行われている。独自性を打ち出しにくい世界での血みどろの戦いに見える。メタバース時代にはどんな汚い手段が登場するのか,恐ろしい気もする。

 一方で,JWordはまた海賊的な活動を続けるのだろうか。