jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

消費税の闇とインボイス制度--日本の税制の複雑さと過酷な取り立てへの移行

じつは「個人事業主」以外にも影響がある…インボイス制度と「停滞する日本社会」の関係 (msn.com) --現代ビジネス 伊藤 綾氏のブログより。

 筆者は,次のようなブログを発信した(インボイス制度について--取引先との信頼関係を損なわないよう,取り扱いには注意が必要 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/0/29)が,見方が甘かったかもしれない。ぜひ,上記ブログ,およびその前編のブログ(じつは「インボイス制度」を勘違いしている人が多い…導入直前に露呈した「消費税の正体」(伊藤 綾) | マネー現代 | 講談社 (gendai.media))も読んでみてほしい。

 一般消費者は,モノの値段に消費税(現在は10%)を上乗せした価格を払っている,という意識だが,事業者はその上乗せ分を税務署に収めているわけではないとのことなのである。事業者が払う「消費税」なるものは,「売上から原材料費などを除いた部分、粗利・付加価値と言われる部分の11分の1(9.1%)」を支払うことだそうだ。粗利+付加価値は,「利益+非課税仕入」に課税される。この「非課税仕入れ」の代表がなんと「人件費」だというのである。

 ここからの議論は,筆者には複雑でほとんど理解できないし,また上記のブログによればマスコミもほとんど理解していないと書かれている。政府・官僚の言いなりになってデジタル化賛成と言ってしまっているようなもののようである。

 従業員の給料を上げると人件費が増え,事業者の支払う“消費税”は増える。したがって給料を簡単には上げられないという事情が発生する。さらに「消費税は破産をしても消えない非免責債権」で,事業継続できなくなっても支払い義務がなくならないという。これでは事業再建の道も閉ざされてしまうというものである。

 一方で,前回のブログで書いたように年間収入1000万円以下の個人事業者は,10%の上積みができない分,収入が減ることになる。こちらも大変なことになる。

 景気回復策として従業員の給料を上げることを政府が求めたとして,結局は事業者が首が回らなくなり,景気低迷が続くことになりはしないか,など,嫌な思いが残る。

 逆に,国が進める事業や国が抱える議員などの人件費に対しても“消費税”を課してはどうだろうか。特に人件費の問題が指摘できるだろうし,また関西万博などの事業予算が倍増していることなどについてもその是非が指摘できるのではないか。「これほど採算に合わない事業にお金を使うべきなのか」「これほどの人数の人件費を抱える必要があるのか」という議論ができるのではないか。

 必要なモノに支払う予算は必要である。新型コロナウイルスワクチンはその最たるモノだった。しかしオリンピックにしろ万博にしろ,費用対効果が疑問視される事業に膨大な費用を掛ける必要があるのか。既存の官僚組織と国の機関の人材という既得権益を守るために,その収入源としての税金の取りっぱぐれをなくす施策を進め,いったん決めたことを覆さないというカネの使い方にしかなっていないのではないのか。本当に困っている国民が無視されているのではないか。

 何度も書いているが,資源のない日本では外貨を稼ぐしかなく,それには観光立国は向いていない。ただ消耗するだけである。付加価値を生み出すことができないからである。モノ(特にエネルギーと食料)を作って海外に供給して外貨を得るという構造を再建しなければ,本当に日本はなくなってしまう。エンタメやスポーツは生活の息抜きのためにあればよく,これが生活の中心になることは絶対にありえないと思うのである。日本人の絶対的な身体能力の差,エンタメの表現力のなさは,ガラパゴスでしかありえないからである。