灯油発電機 | DR Pocket ディーアールポケット - 長野県岡谷市のエンジニアリングカンパニーという記事を見た。地震などの災害で停電になった際,最もいいソリューションかもしれないと思ったのである。
2025年冬で一番大きな寒気団が日本に掛かり,北海道や日本海側を中心に記録的な大雪になっている。停電の可能性もあるので,スマートフォンなどの充電も望ましいと伝えられている。筆者宅には,以前紹介したように大型のバッテリーを準備してあるが,その後,放置したままになっている。おそらく9割は残量はあると思うのだが,ここで停電になると慌てるだろう。しかも長期間にわたる場合,果たして充電用に準備した太陽電池パネルで充電できるような天気である可能性も低い。
小型発電機の方が災害時には望ましいが,ガソリンの備蓄に問題があること,騒音,一酸化炭素の排気ガスなど,問題が多い。カセットボンベ方式の発電機は燃費が悪く,ボンベ1本で2時間しか使えない。近年,ソーラーパネルとセットでの設置が呼びかけられている家庭用大型蓄電池が必要かもしれない。そうすると,大型バッテリーを積んだEV(電気自動車)が普段使いもできて便利だし,数日のつなぎであればハイブリッド車も使えるかもしれない。
埼玉県八潮市の道路陥没事故は,2025/1/28から1週間が経過し,残念ながらまだ救助には至っていない。当初の穴が直径10mだったものが,拡大して20mに,そして救出用スロープを2つ作るためにおそらく直径100mにも拡大している。これで救出が無事進んだとして,さらに深いところで破裂していると思われる下水管の修復,崩れた雨水管(ボックスカルバート)の修復,埋め戻し,舗装まで完全に修復するのに,1ヶ月はかかると思われる。
その間,周辺住民に対して「水の使用を控えてください」という呼びかけではおそらくまったく効果がないだろう。仮に,実際に断水したことを想定して,食器を洗わないといった対応をしたとして,おそらく1日もガマンできなくなるだろう。ちょっとぐらいいいかな,という思いや,トイレぐらいはいいかな,といった思いが積み重なれば,下水の量は減っても止まることはない。
博多駅前の道路陥没の原因となった上水道管の破裂は,上流でバルブを閉めれば漏水を止めることができ,管の交換作業もスムーズにできる。一時的に断水措置を取ればいいからである。しかし,今回の八潮市のように下水道管が破裂しているとなると,下水を止めることは容易ではない。周辺だけでなく,周辺都市の住民全員の「水を流さない」という協力が必要になるが,住民感情としてまず無理だろう。
おおごとになってしまったが,これはもはや災害級の対応が必要になる。不発弾処理クラスの徹底した退去措置が必要な段階に入っているように思える。市,ないし県レベルで自衛隊の災害派遣要請をし,避難所への住民の移動と,そこでのトイレ,風呂,食料供給,飲料水供給の対応をすべき段階なのではないだろうか。
言い方は変だが,首都直下地震発生を想定したミニ訓練体験にもなるかもしれない。一方で,地図を見ると事故現場から近くの中川までの距離は1km程度なので,緊急避難的に汚水を川へ流す手段が講じられないかと素人的には思ってしまったりする。
下水管の配管ルートは,基本的に各家庭から道路の本管に集まり,まとまって汚水処理場に流れる。流れを止めても迂回ルートはおそらくなく,どこかから溢れてしまうのだろう。いわば内水氾濫を起こす形になる。ならば,強力な排水ポンプを用意して,臨時に川へと放流するといった措置もやむを得ないと思うのである。
救出が遅れている運転者の方の命が優先であることはもちろんだが,道路の陥没という大事態をもう少しおおごととして集中的に対応するべきかと思われる。もし自分の地域で同じ事故が起きたとして,1週間,場合によっては1ヶ月ほども水の使用を止められるか考えたときに,これは自衛隊の出動要請と,住民の強制避難を実施すべき段階に入ったように思うのである。都市型災害での典型的な対応パターンとすべき事例かと思われる。