jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

機会均等ではない東京オリンピック2020

東京オリンピック2020の開催予定が2021/7/23。あと25日である。これから選手団の来日が増えるのだろうが,一向に予定がわからない。

 新型コロナウイルス禍が世界中で収まらない中で,1年の延期を経ての開催となる。本来,会場となる日本・東京は,ウイルス禍を乗り越えて「安全・安心」な場所になっているはずだったのだが,とてもあと25日でそれが実現するとは思えない。

 これまでのオリンピックだと,競技の始まる日から起算して何日前に入国すれば,競技までに体調を調整してベストコンディションに持っていけるかを考えた移動スケジュールが組めた。その中には,練習日だけでなく,休養日,息抜き日なども設け,心身ともにベストコンディションに持っていくことで,ベストな戦いができる,という読みができた。

 しかし,東京オリンピック2020は様子が全く違う。競技の日から逆算しての入国が計算できない。入国時に全員が感染陰性であれば,特例としてそのまま宿泊地への移動ができ,練習もできる。しかし,同行者に感染陽性者が見つかったら,空港で足止めさせられる。これが3日間だとしても,合計14日間は外出も練習もできなくなる。天国と地獄の差である。

 出国前に,2回のワクチン接種が義務付けられているが,ワクチンの供給が世界各国で一様ではない。IOCが世界中のオリンピック選手に打つためのワクチンを確保して供給するとしているが,供給のタイミングは一様ではない。余裕を持って打てる国もあれば,ギリギリで2回接種して飛び立つ,などという国もあるだろう。しかも,ワクチンの種類も,標準的と言われるファイザー製やモデルナ製もあれば,イギリスのアストラゼネカ製もある。後発であるジョンソン&ジョンソンもあれば,中国製,ロシア製,インド製などのワクチンもある。それぞれ,接種間隔も異なれば,ウイルスに対する効果も異なる。

 副反応にも違いがある。ワクチン接種によって体調を崩してしまう選手もいる。ベストコンディションでないまま大会に臨むことにもなりかねない。

 さらに,ワクチン接種を拒否する選手も出てくる。20%ぐらいは拒否すると見られている。

 ワクチン接種か未接種かによって,どちらが有利でどちらが不利ということは一概には言えないが,接種のタイミングや,接種するワクチンの種類によって,影響が変わる可能性も出てくる。

 すでに,トップ選手で参加を辞退する人も何人か出てきている。トップのいない大会でトップになったとしても,意味があるのだろうか。

 これらを総合して見ると,国によってオリンピックに向かい合う環境が機会均等でないのが明らかである。その中で,同じ土俵で闘うことに,意味があるのか。

 何のためのオリンピックなのか,もう一度考えて,英断していただきたいものである。