jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

オリンピック選手,選手団の皆さんは,感染不安を感じないのだろうか

オリンピックのバブル体制の崩壊を伝えるニュースが相次いでいる。東京五輪の「バブル方式」は選手団入国時から崩壊――羽田空港に行けばよく分かる(高橋浩祐) - 個人 - Yahoo!ニュース 2021/7/16。筆者も,7/5に羽田に行っていたから,この記事の意味はよく分かる。

 入国前の機内でも,一般客と同じ便に乗っているわけだから,選手,関係者だけが仮に完璧にワクチン接種やPCR検査をしていたとしても,一般客の中に管理をすり抜けた人がいれば感染リスクがある。1月にオーストラリアで開催されたテニスの世界大会では,選手は一般客とは別のチャーター便でオーストラリア入りした。それでも,機内に感染者がいたために,3日間の隔離を含めて14日間の完全隔離を余儀なくされた。

 しかも期間中は完全にホテルの室内に監禁状態だった。廊下に出ることもできず,部屋の中で走ったり筋トレしたり,往復ジョギングをしたり,さらにはベッド・マットを壁に立てかけて壁テニスをしたりしていた。ホテルを出るとき,会場に入るとき,またその逆のときもPCR検査を徹底的に行った。

 東京オリンピックでは,チャーター便もなく,空港での動線も上記記事にあるように一般客とクロスしていた。ほかにも,以下のような穴が多々報道されている。

・食事はレストランまで自由に歩いて行き,バイキング方式でトレーに取って部屋に戻り,部屋で食事を取る。部屋から出て戻るまで10分間も室外を出歩ける。

・トレーニングを,廊下やエレベーターで実施。

・「ちょっと散歩しに」といって市内に出歩ける。

・監督人は声がけもせず,ただ質問に答えるだけで,外出を阻止しない。

 ほかに,ボランティアやUber Eatsのデリバリーが自由に出入りする。ボランティアへのワクチン接種は1回は済んでいるというが,これは本当なのだろうか。またデリバリーの担当者は若者が多く,ほとんどがワクチン接種していない。もちろん,会場に入るのにPCR検査陰性の確認が行われるわけではない。

 さて,選手,選手団の皆さんは,出国から航空機内,入国,ホテル,そして会場と移動されている間,これらの「バブルの穴」に不安はなかっただろうか。テニス世界大会で厳格なバブル管理が行われて選手がイライラしている様子を知っているとして,実際に自分がホテルに入って「缶詰」状態になっていないことに拍子抜けしたのではないのか。

 海外からのマスコミは,仮に缶詰状態になっていたとしても,それをすり抜けてでもバブルの外に出るだろうが,選手はバブルから出れば権利の剥奪,場合によっては強制帰国もありえる。なのに,缶詰にもならず,あまりにもあっけなく外の人と交流ができている状態に,不安を感じないだろうか。

 自分がバブルの中の安全な空間にいない,ということを実感しておきながら,「安心安全な大会運営」という嘘で成り行きまかせになっているこのオリンピック大会で,自分が安心して競技に参加して,ベストなパフォーマンスができるだろうか。

 最初に来日したウガンダ選手団から2人の感染確認者が出て,そのうち1人は行方が分からなくなっている。仙台でも感染確認者が出ている。当初,これらの選手たちは入国までにすでに感染していて,出入国の際のPCR検査をすり抜けて入国してしまったのではないか,と思っていた。

 しかし,同じ機内に同乗していた一般客から感染を受けたり,空港スタッフから感染を受けたり,さらに練習先で感染を受けたりしている可能性もある。つまりバブルで守られていないのである。

 こんな不安な大会運営である。東京オリンピックに参加することで,自分が感染を受けるという不安を感じないだろうか。

 7/23の開会式も,入場行進時はソーシャルディスタンシングが図られるが,ではそのバックヤードがきちんとソーシャルディスタンシングな空間になっているかと言えば,おそらくものすごく密な状態になっていると思われる。筆者はこの時点で,「開会式への参加を急きょ取りやめて,選手村に帰る」という選択をすべきではないかと思うのである。そして,自分たちの競技を終えたら,さっさと帰国した方がいいと思う。

 やはりこの東京オリンピック2020は,選手,選手団にとっても感染罹患リスクの高い大会運営がされている。「最大限の努力をする」というお題目だけでは,とても安全確保できているという保証はない。