jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

これはもう医療ミスでしょう

何にでもマニュアルというものがある。マニュアルどおりに作業しても,不測の事故が起こることはある。しかしそれは,作業ミスではなく,装置の不具合であったり,停電や自然災害,クルマが突っ込むなど不可避な原因を排除することはできない。

 それでもなお,「マニュアルどおりに作業」する段階で勘違いなどが起きないとは限らない。これは作業ミスだが,ダブルチェックや監督などの冗長性を持たせることで,大部分を防ぐことが可能になる。

 新型コロナウイルス対応ワクチンの接種では,作業ミスが連日のように報道されている。メディアは,こういうネタが大好物なので,「報道されないことはない」。

 使えずに廃棄してしまう事例も多いが,これは作業ミスの範囲である。「未使用バイアルと使用後の空のバイアルを間違えて廃棄した」「翌日の分まで生理食塩水で希釈してしまったため廃棄した」「いったん解凍して準備したバイアルを再冷凍したものを廃棄した」。もったいない話なので,許せるものではないが,マニュアルを強化して二度と起こさない方法を構築することはできる。しかし,「空のバイアルに生理食塩水を入れて接種した」「薄め過ぎたワクチンを接種した」というところまで行くと,これはもう医療ミスという範ちゅうに入ってしまう。「同じ人に同じ日に2度接種してしまった」というのも医療ミスだが,これは運営上のミスでもある。

 ワクチン接種で,医療従事者が足りない,というのは世界的な問題である。これに対応するために,日本では歯科医師,獣医師から希望者を募っている。また,バックヤードでのバイアルの管理やバイアルへの生理食塩水の注入,バイアルから注射器への薬液の吸引に薬剤師のボランティアを募集している。

 アメリカでは,まったく医療と関係のない人でも研修後にワクチン接種業務をさせているケースもあるが,日本ではまだ「医療関係者」の範ちゅうの人がワクチン接種の業務に当たっている。つまり,薬の扱いや,患者の扱い,説明業務などに慣れた人が担っている。

 その中で,生理食塩水を注射したり,薄いワクチンを注射したり,注射する量が少なかったり,といった不手際が起きている。どうにもやりきれない。

【追記】2021/5/19の報道で,使用済み注射針で他の人に接種したケースがあった。さすがに,このミスは医療従事者の行為としてはありえない。これはさらに糾弾すべきである。