jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「ステージ5」=「機能不全」を隠すための自宅療養政策--「指定感染症」から「五類感染症」に指定変更を提案

病床使用率が50%を超えると,ステージ4と定義されている。筆者は現在勘ぐっているのだが,実はヤミで“ステージ5”が定義されているのではないか,ということである。

 ステージ4は,「深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階」と定義されている。そしてここで書かれている「深刻な医療提供体制の機能不全」がステージ5,つまり,がんの進行で言えば「死」である。

 一般に,がんの進行でステージ4と言えば,外科的に腫瘍を取り除くことができず,抗がん剤投与,放射線療法,免疫療法,そして現在研究中の遺伝子治療ぐらいしか手がなく,余命宣告がされる。

 COVID-19対応の医療現場がステージ4に入った。医療現場の余命宣告の段階で「機能不全を避けるための対応」としての患者のトリアージュを,菅義偉首相と田村憲久厚生労働大臣が専門家部会に相談もせずに決めた,ということになるだろう。

 普通に入院患者を受け入れれば,ステージ5つまり医療現場の機能不全=医療現場の死を引き起こすから,受け入れる患者を制限する,ということが「機能不全を避けるための対応」だったということである。

 さて2021年1月に行われたトリアージュについて,以下のようにコメントした 自宅療養・自宅待機の宣告は「医療放棄」 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/27。つまり,医療機関を生き残らせるために,患者を選別する,という選択を取ったということである。確かに,ここで医療従事者が倒れ,それに続く診察や治療ができなくなれば,さらなる死亡被害が増えることが予想される。だから,医療機関を守り,患者を見捨てる,という選択をしたというわけである。それも,「政府の政策判断」だった。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、入院対象を重症者らに絞り込む方針を事前に相談されなかったと会見した。医療の専門家たちに「相談」していれば「反対」されたことは確実である。だから相談しなかった。これでは専門家分科会の意味がない。民主主義でもありえない。

 政治家が物事を隠すパターンは,必ずこういうきな臭い匂いがする。領収書を破棄した,記憶にない,秘書が勝手にやった,などなど。カネが絡むと,当事者は必ず政治家に「忖度」する。しかし,医療関係はカネのシガラミがないので遠慮なく意見を言う。これまでは,分科会に言わせておいて,「独自の意見」だの「別の地平線」だのと言って無視してきた。今回は意見を聞くことすらしなかった。分科会をはじめ,あらゆる医療機関が今回の決定について反対意見を述べている。

 戦争下で言えば,脚を地雷でふっ飛ばされて歩けなくなった兵士や,マラリアの高熱で動けなくなった兵士に,痛み止めだけ横に置いて放置し,軍医は撤退する,というパターンと同じに見える。「この決定を政府がした」ということである。

 2021年7月に始まったドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBSテレビ)は,災害現場で救命医療行為をすることで救命率を上げる仕組みとして,救急車ではなく,手術室を大型トラックに載せて災害現場に急行するという日本ではまだ実現していない方法をドラマ化したもので,非常に緊迫感のあるドラマ進行に思わず引き込まれてしまう。しかし,災害現場の多くの被害者に対してまずトリアージュが行われ,現場での救急行為が必要な被害者1名の命を救う,という設定になっており,その他の優先度の低い被害者は,救急車で病院に搬送して助ける,ということになっている。つまり,重傷(重症)者を助けることも優先するが,中傷・軽傷(中症・軽症)者も医療機関の手当てを受けられることで「死亡ゼロ」を宣言するための体制である。

 今回のCOVID-19に対する政府のトリアージュは,MER以外の医療機関はなくして,自宅,すなわち戦地に被害者を置き去りにすることと同じである。パルスオキシメーターの配布やひょっとしたら酸素吸入ボンベも配布するかもしれないが,急変時を判断する手段も,病院に搬送する救急車も,そして入院先の病床も,手配できる保証がない,という状態なのである。

 2021/8/4には,以下のように提案した。大規模接種会場を作れるのなら,なぜ救急病棟を作らないのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/18 でコメントした救急病棟の設置,および大阪府が設置した「入院待機ステーション」はギリギリだが適切な対応 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/1 でコメントした入院待機ステーションの設置を至急進めてほしい。」

 しかし,もうこれでは間に合わない。至急,COVID-19を「指定感染症」から「五類感染症」に指定変更し,軽症,中症患者の経過観察をインフルエンザと同様に一般医療機関で入院できるようにすることを提案する。というのも,一般医療機関での感染拡大対策にもそれなりの時間がかかるからである。すでに,インフルエンザの疑いのある患者を別の入り口から誘導したりしている医院でも,より高度なパーティショニングや換気装置,医療従事者の感染防止対策などを進めなければならないからである。1日でも早く指定変更しないと,それこそ「国民全員玉砕」になりかねない。