jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

室内の二酸化炭素濃度とマイクロ飛沫濃度は違う

新型コロナウイルス禍の第6波となったオミクロン変異株の急激な感染拡大を受けて、「新型コロナウイルスは空気感染する」と国立感染症センターが発表した(実際は「空気感染の可能性」と言っているが)。したがって、感染拡大の防止には、「マスク」と「換気」がより重要になる。しかし、行動規制の解除などの動きがあり、どんどん軽視されているように感じる。結局、マスクマナーはあまり変わっていない。窓開けも冷房の開始でおざなりになりつつある。

   筆者宅での感染の急拡大と換気の重要性についてはすでにレポートした。しかしその具体的な数字はないので、説得力に欠ける。富岳はもうシミュレーションはしてくれないのだろうか。

   一般的な換気の基準は、二酸化炭素濃度計が広く使われている。しかし、この計測値には落とし穴があると考える。

   仮に、二酸化炭素濃度とマイクロ飛沫の濃度に相関があるとしよう。ある一定濃度を超えると危険、と判定できる。

   ところが、オミクロン株の感染力はデルタ株などに比べて極めて高い。例えば5倍の感染力があるとしよう。マイクロ飛沫の密度が同じなら、5倍の感染リスクがある訳で、つまり濃度を1/5にしなければ話が合わない。現在の飲食店の基準はデルタ株の時のものであり、東京の虹色マークはもはやまったくの保証ができないことになる。

   一方、二酸化炭素濃度とマイクロ飛沫に相関がないという仮定もできる。確かに、吐く息の動きは、どちらも同じように見える。しかし、気体分子と飛沫粒子では、その体積も重さも1000倍も異なる。二酸化炭素は拡散しやすく、マイクロ飛沫はある一定の濃度で偏って徐々に分散する。つまり、マイクロ飛沫の密度を二酸化炭素濃度で代用はできないはずである。同じ個数が吐息で出されても。数秒後にはまったく異なる挙動を取る。これをピンポイントで測定しても、マイクロ飛沫に対する換気能力の評価にはならない。

 デルタ株の段階で営業許可を出した飲食店では,原則論から言えば当時の5倍の換気能力を持った設備を導入する必要があるという計算になる。結局,一定の限られた空間に一定以上の時間滞在し,しかも歓談の場所であることを考えれば,とりあえず大幅な換気能力のアップをする必要があると考える。デルタ株のころの感染拡大とは質も量も異なる。重症化リスクは低いが感染率は高い。飛び火してさらに一気に感染拡大することが心配なのである。

 筆者としては,二酸化炭素濃度計よりも,特殊レーザーによるマイクロ飛沫の可視化が感染防止対策を進めるのに効果があると考える。かつて2002年,朝の通勤時,駅の改札を抜けたところで,飛散するホコリなどの微小粒子が朝日に照らされて視覚化された日のことをいまでもよく覚えている。この日から,通勤にはマスクを着けようと決意したからだ。折しもSaasが台湾で大流行し,いずれは日本にも上陸すると言われていた。真夏でもマスクを着けて歩かなければならない事態になる前に少しでも身体を慣らしておこうとしたことを思い出す。

 普通の会話でも唾液飛沫は数mは飛散する。マイクロ飛沫は,これに輪をかけて部屋中に拡散する。それも,感染者からは断続的に撒き散らされ,放置すればどんどん濃度が上がっていく。これを防ぐには,強力な換気設備を常時働かせることで,連続的にマイクロ飛沫の濃度,飛沫の個数を減らし,感染罹患のリスクを時時刻刻下げるような換気方法を取るべきと考える。1時間に数回,窓を開けて換気する,などという生易しい対応では,あらゆる場所で一気にクラスターが成立し,これがまた野に放たれて,感染者の急拡大を招くと見ている。