jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

砂上の楼閣「日本」--足元がなく自己崩壊は目前

オランダが,水素製造,水素供給のハブ(中心地)になるための投資を一斉に進めているというニュースを見た。元々あった石油コンビナートと欧州各国につながる石油・ガスパイプラインを水素製造,水素供給のインフラとして流用拡大するという構想が,着々と進んでいる。

 水素製造には海上の大型風力発電を利用したグリーン水素である。日本からはJETROの見学ツアーで30社が現地視察したという。

 明らかにインフラの圧倒的な優位性を持っている。仮に日本で水素を製造したとしても,欧州に供給するには専用船を使わざるをえない。さらに,そこから先の各国に供給するためのロジスティクスも持っていない。

 かつて,世界中の石油ロジのために巨大なタンカーを建造できたのは日本である。しかし,現在は韓国と中国でしか作る技術がない。水素運搬船の技術は川崎重工業が先行して開発したが,果たして世界中の水素ロジを担えるだけの船数を作る技術と場所,そして技術者が日本にいるのかと言えば,まことに机上の空論に近い。結局,韓国と中国にライセンス供与し,利益は日本に還元されない構造になると思われる。

 石炭から水素を取り出すグレー水素技術はオーストラリアが先行し,日本は同国から安い水素を運ぶことを考えていると思われる。しかし,今の日本に水素エネルギーを使うインフラがなく,また今後もできるとは思えない。比較的安全な灯油と都市ガス,そして電気を使って来て、クルマはガソリンを使ってきた。全電化なら水素発電電力を使えばいいが、やはりガソリンや灯油は使うだろうし、都市ガスが水素に代わることもない。

    いずれにしても、モノづくりの土台が無くなった日本にとって、いくらその上にサービス産業や観光産業を作っても、結局海外に売れるモノがないので、それは砂上の楼閣だと思うのである。