jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

量子コンピュータ,生成AI,ヒューマノイドロボットが「人類」を滅ぼす未来を予測--まずテロ集団がバーチャル世界からリアル世界を乗っ取る(個人の予測です)

石破総理「量子戦略を抜本的に強化」量子コンピューター関連の施設を視察 (2025/5/18)というニュースを見て,コメントしなきゃ,と思っている。この人の頭の中には,「地方に産業を興して地方創生」することしかないのかな,と感じたのである。

 量子コンピュータにせよ,生成AIにせよ,要は高速処理技術である。大量の情報を高速で計算し,分析して答えを出す。筆者の言い方で言えば,世界の情報につながったパソコンの拡大版である。

 パソコン,つまり「パーソナル・コンピュータ」という「自分だけのコンピュータ」の登場は画期的だった。英語圏の人たちにとっては,タイプライターの代用品から始まっただけだが,そこに計算機能が加わって,プログラムを組むことで複雑な計算ができる機械として,学問分野から経理,経営などに広がり,さまざまな新しいプラットフォームが出来上がっていった。かつてはセンターにある大型コンピュータの時間貸しで計算していたものが,手元でできるようになったのである。

 一方,日本語など2バイト文字が必要な国にとって,パソコンはワードプロセッサという新しい用途が加わった。記号の組み合わせで漢字やかななど別の文字を表現するという新しい文化である。日本のコンピュータメーカーが最初に取り組んだのが,専用の日本語ワープロ機だったが,やがてこれがパソコンのソフトとして使えるようになり,現在に至っている。計算以外に,「文化」を創り出したと言うことができると考えている。

 そんなただの計算機やただのワープロだったコンピュータが,いよいよ自分で学習して情報を生み出す「生成AI」というソフトウエアを身につけた。2025年現在ですでに,人間の情報収集能力,情報記憶能力,情報処理能力を越えつつある。

 この生成AIが,新しい文化を生み出す前に,フェイク情報の生成に威力を発揮できることが明らかになってきた。大国同士の争いだけでなく,小国が大国の根幹を揺るがすようなフェイク情報を発信できるようになった。サイバー攻撃といえば大国同士の総力戦のイメージだったが,小国,さらに言えばリアルな国家とはまったく関係のない組織,特にテロ組織によるフェイク情報発信が,リアルな世界を揺るがす危険な段階に入ってしまった。

 その第一段階は,「詐欺」という個人をだます行為から始まり,現在はすでに個人の銀行口座や証券口座を乗っ取ってリアル世界の財産を搾取し始め,さらにバーチャル世界の仮想通貨も乗っ取りつつある。

 そこに,現在のスーパーコンピュータの何万倍もの処理能力を持つ量子コンピュータが実用化されると,これまでの暗号システムがすべて破られてしまうことになる。この能力をテロ組織が悪用しないはずはない。

 このインターネットでつながったバーチャルな世界を乗っ取るのは,対立している東西の大国や,個人を中心とする権威主義国家よりも先に,さらに悪意に取り憑かれた天才的な悪人やその率いる組織,つまりバーチャルなテロ組織ではないかと恐れている。

 しかもその「バーチャルなテロ意識」は,おそらくすべての人間が持っている欲望や悪意,犯罪心理につながるものである。つまり,インターネットにつながるすべての人間が,ふとした悪意を持ってそのバーチャル世界でのテロ行為に加担する危険性を持っているということである。

 すでに,リアルな世界の社会人としてのリアルで生産的な仕事をするという人類に与えられた使命を放棄し,バーチャルな世界に入り込み,片やゲームなどの非生産的な活動に時間を費やす一方で,バーチャルな匿名の存在として他人の誹謗中傷に加担したり,他人の個人情報を拡散したりと,人間の悪意の発散場所としてインターネットのSNSが使われている。そして,リアルな世界でコツコツと働いて報酬を得るという「仕事」の代わりに,バーチャルな世界で他人をだましたり,通貨の価値を操作したりして,金儲けをする「闇仕事」を選ぶ人が増えていることが,バーチャル世界の非合法な無法地帯に多くの人が加担していることを示している。

 すでに生成AIを使ったフェイクデータが普通の善良な人から発信されることも可能になっている。まして悪意を持って情報発信する人たちが世界中に生まれつつある。個人情報の入手を目的としたハッキング行為をおこなった人の1/3が10歳台だったという数字も出ている。パソコンやスマホを手にしたその日から,誰の制約も受けずに悪の道に入り込むことが可能な状態になっているのである。

 おそらくすでに,AIの判断能力を持った小型システムを搭載したドローンやロボットが開発されていると考えられる。特に,ヒューマノイドロボットという二足歩行ロボットや,四足歩行の犬型ロボットなどにこの自律行動能力が搭載されることで,操作しなくても勝手に攻撃する武器になる。訓練したイヌやイルカを戦いの道具に使っていた時代から,ドローンやロボットが戦いの道具に使える時代になりつつある。

 関西万博では,展示よりも「ショー」の方を持ち上げて「楽しい」と言っている傾向が見られる。なかでも,夜のドローンショーが見ものだ,という評価が多い。今回,花火を組み込んだドローンショーを作り上げたのは,日本人だという。

 しかし,筆者は以前から危惧しているが,ドローンは集団的に絨毯爆撃的な武器になりうるし,敵地に潜り込んで背後から攻撃するような脅威的な武器になりうると警告してきた。事実,カメラを搭載したドローンが標的を発見し,その情報を元にミサイル攻撃して標的を抹殺するパターンは実現している。ドローン自体に攻撃能力を持たせれば,その場で相手を攻撃できる。その自律行動がすでに数百機の単位で実現している。これをリアルな世界での武器として使わない手はない。

 すでに悪意のある人たちの手に渡りつつある生成AIに対抗できる防御能力を開発するのは,リアルな世界に住む善意な人であり,国を筆頭とする安定した組織の人たちである。量子コンピュータや生成AIの開発を,営利目的の企業の手に委ねるのは,大変危険であり,これを国家戦略で開発主導すること自体は正義だと思う。ただそれは「地方創生」といった公約実現のためではなく,国という組織を守るために必要な開発だと思うのである。

 ただ,現在の科学者が純粋に科学進歩を目指しているという保証はない。あくまでも生身の人間であり,生活のためにカネは必要である。そこに悪意のある人たちが付け入る隙はいくらでもある。

 人類が滅びるパターンとして,未知のウイルスによるパンデミックの再発の可能性や,巨大隕石の落下などの可能性も考えられる。しかしその前に,地球温暖化に伴う食糧不足による飢餓,かつての二大国以外が持つ核兵器の暴発といった可能性も否定できない。バーチャルな世界に入り込んだ人類の悪意を制御する手段は,今のところ皆無である。善意のある人や組織が,最新の技術を駆使して,悪意の生成をコントロールしてほしいと願っているが,結局はすべての人間が持つ悪意の部分が解放されてしまうのではないかと思うのである。

 残念ながら,人類の未来は「暗い」と筆者は感じている。さまざまな前向きの提案を目指しているこのブログだが,かなりお先真っ暗という気がしている。