コンビニにマスクなしで入って「オレは客だ」と居直る男がいた。電車に乗るのも客,飛行機に乗るのも客。同じようにマスクなしで居直る。「お客様は神様です」とはよく言われることだが,客ならば万能と短絡的に思うその心理が理解に苦しむところである。
居直って恫喝するのは,ほぼ100%が男である。また男か,といつも思う。
同じように,夫による家庭内暴力DV,前大臣が有権者に香典を配って辞任し今ごろ議員辞職など,自分の立場を“権利”や“権力”と思い込んで,横暴を極めるのが男である。外交官の“外交官特権”で駐車違反を逃れるなどというケースもある。
こういう場合,男は常に“上から目線”である。これが時にはセクハラともなり,またパワハラともなる。理屈をこねればモラハラもある。相手に不快な感情を引き起こすのがハラスメントなのだが,基本的に男の側がハラスメントを起こす側になりやすい。
テレビドラマでも,政治家や議員が警察を脅す場面がよく現れる。先生と生徒の関係,生徒の保護者と先生の関係などでも,“上から目線”というのは常に見られる。
「旅の恥はかき捨て」とも言われる。旅に出れば自分は客であり,金を払うのだから,周りはみんな奴隷となれ,とでも言わんばかりである。
医療機関では,患者が“客”の立場で居直るケースもあれば,医者が“上から目線”で患者をまともに扱わないケースもある。
店でモノを買う場合や,飲食店で注文したりする場合に,客が横柄な言い方をしているのをよく見かける。
これらはおそらくすべて,親の行動を見て育った結果だと思う。親がするから,子供はそれを当たり前と思って身につけてしまう。なんの疑問も感じないのだろう。そのために頂上,頂点を目指すのかもしれない。
また,金をばらまけば人は自分の周りにひれ伏す。その感覚に麻痺してしまうのが人なのかもしれない。
ありがとうという感謝の気持ちを持つ,注意をしてもらって気付かされたことに感謝する,そういった心の余裕がほしい。
日本は日本語という共通の言葉がある。相手の言っていることを理解しようと思えば理解できるはずである。それを考える余裕がほしい。まともにぶつかっていては解決しない。ほかに道がないか探る努力も必要である。