筆者は仕事上,パソコンの上でのファイル操作が頻繁にある。最も多い操作は,元のファイルを残してコピーファイルを作り,そのファイル名に自分のイニシャルを加えて返送する,という操作である。
ところが,この操作は,①Explorer上でファイルをマウスでつかみ,Ctrlキーを押しながらドラッグしてファイルをコピーする,②ファイル名の上にマウスを置いてしばらく待ってファイル名を変えられる状態にし,末尾の「コピー」という文字を消してからイニシャルをキーボードでタイプして入れる,という作業になる。イニシャルだけでなく,頭に「OK」を入れる場合は,キーボードの矢印キーでカーソルを左右に移動させる必要がある。
1個や2個ならともかく,毎度10個も20個も対象ファイルがあり,そのたびにこの①②の動作を繰り返してきた。パソコンを使い始めてから40年,仕方ないと思って操作してきた。
お得意のバッチファイルで処理できないかと考えたが,任意のファイルを対象とするのは無理だった。
2ペインという,ウインドウを2分割してファイルをコピーしたりできるファイラーというユーティリティーも愛用してきたが,ファイル名に指定文字を入れたり消したりする機能には出会えなかった。
そしてついに今日,ほぼ思いどおりのユーティリティーに出会えた。名前は「NullAffix」。制作は2010年~2011年で,対応OSがWindows Vistaや7対応までしか書かれていなかったのが少し不安だったが,Windows 11でも問題なく動作したのはラッキーだった。
ユーティリティーを起動し,入れたい文字と入れる場所(元のファイル名の前か後か)を指定し,そのウインドウにファイルをドラッグドロップすると,見事にファイル名が変更された。ユーティリティの起動を,右クリックで行う(「送る」の中に加える)こともできた。
おもしろいことに,同じドラッグドロップの動作を繰り返すと,いったん追加した文字をまた消すこともできた。
さらに,ショートカットを複数用意し,そのコマンドラインにそれぞれの文字を指定しておくと,ショートカットへのドラッグドロップだけでファイル名が変更された。イニシャルをファイル名の後ろに,OKの文字を前に,という操作も,2回のドラッグドロップで済む。
なにより,入れる文字をいちいちキーボードから打たなくていいことと,入れる位置をマウスと矢印キーで指定しなくて済むことが,精神的に非常にありがたかった。
久しぶりに,ワクワクしたユーティリティとの出会いだったので,ご紹介した。