まったく個人的な話だが,筆者は子供の声が苦手である。キーが高いことと,ボリュームが大きいこと,そして周囲に配慮しない下品な言葉の使い方をすることが多いことなどである。突然,カンシャクを起こしたように言葉が爆発的に発せられたり,急に走り出すなどの動作も伴うことも多く,ストレスが一気に高まってしまうのである。
キーが高いという意味では,女性同士の会話を近くで聞いているのは苦手である。2人の会話でも延々と話が続くし,一方的にしゃべり続ける人もいる。とにかく話し始めたら,周囲のことはお構いなしである。
この話が,少し距離を置いたところでも実によく聞こえる。高い声は良く通るのである。周囲の様子を意識すれば,フィードバックしてボリュームを抑えることも可能なはずだが,周囲をまったく意識していない様子で,話に終わりが見えない。
男性の場合はキーが低いので,少し距離が離れれば気にならなくなる。そう思っていたら,今日はやたらに大きな声で話をする年配者がいた。
昔なら,お酒が入ると周囲のことに構わず,大声でしゃべる人が結構いた。しかし,どうも普通にシラフなのだが,大きな声で話を続けている。
考えてみると,耳が遠くなっているのではないか,と推測できた。自分で話した声が,自分の耳でうまく聞こえない。そこで声のボリュームを上げて,自分でも聞きながら話すことができる。これが,大きな声になる理由の1つと思われる。
年寄りだからといって,女性だからといって,共同の場での大声の会話は許されるものではない。しかし,男性である筆者が何か一言言うと,トラブルの素になるのは明白である。電車なら黙って別の車両に移ったり,イヤホンを耳栓代わりに着けてじっとガマンするしか,対抗手段がない。
やはり,社会生活における他人との関わり方について,教えてきてもらっていない人が増えているのだと思う。
かつて,ソニーのウオークマンが一世を風靡したころ,大きな音でヘッドホンから音漏れさせている人が結構な数,居た。その後は,携帯電話のキーをカチカチと言わせる音やパソコンのキーボードを叩く音などが気になることがあった。この辺りの騒音は,イヤホンやヘッドホンのノイズキャンセル機能などでかなり解決されていると思う。
逆に,アナログ的なおしゃべりが復権し,マスクなしで大手を振って話をする事態になっている。もう,新型コロナは無くなったとでも言いたげである。
もともと,電車の中などでは電話の通話で話すことを基本的に禁止している。SNSでチャットするなどの代替手法も充実してきている。せっかくのスマホツールなので,周囲にも配慮した使い方をするべきだろう。