福島第一原発のデブリサンプル取り出しへの疑問--もっと簡易なアームで十分ではないのか【追記】9/18再度中止 - jeyseni's diary (2024/9/12,18)と書いてから1ヶ月半経過した2024/11/2にデブリの取り出しに成功したという報道があった。わずか3gという小さいサンプルを取り出し,放射線漏れがない容器に入れることができたという。
TEPCO|燃料デブリ ポータルサイト に詳細な情報が掲載されていた。アームも複雑だが,動作は意外に俊敏であることが,動画で紹介されている。それなのに作業開始から取り出しまで2週間かかる,といった説明がなかなか信じがたい。今回,デブリサンプルの取り出しに成功したが,前回壊れたカメラを交換し,10/28に作業を再開してから5日間で取り出しに成功している。慎重を期しているとはいえ,何か余裕を見過ぎているような気もするのは,素人考えだろうか。今後の解析が待たれる。
それにしても,考えてみると原子炉がメルトダウンした案件は,アメリカのスリーマイル島,ロシアのチェルノブイリ(チェルノーブル)と福島第一の3件と思われる。チェルノブイリはコンクリートで封鎖したままとなっており,メルトダウン後の核燃料デブリを取り出すのはひょっとしたら今回が世界初かもしれない。メルトダウン後の状態がどうなるのかの解析をすることで,今後の設計に役立てられるかもしれない。
というのも,再生可能エネルギーとしての太陽電池パネルが中国を中心に異常に増殖し,かえって環境破壊を進めているように思えるからである。太陽光を遮ることで土地の耐力が下がり,大雨による土砂崩れを招く危険が増えている。さらにパネルが寿命を迎える10年後に,その廃棄による悪影響が懸念される。大量の配線材料と広大な地域の利用が管理体制の穴となり,配線を窃盗するという姑息な犯罪も各地で起きている。まったく同じ人間として情けない。
水素エネルギーについては,日本でも結構動きが出てきて筆者としてはウエルカムなのだが,これも中国ではすでに桁違いの施設が稼働を始めている。日本の政治のゴタゴタでまた日本が負け犬になりかねない。
そうした中で,高密度エネルギー源としての原子力が,より安全なエネルギー源となる可能性はまだ残っている。世界で小規模原発の開発の動きがあり,電力を大量に消費するデータセンターでは,それに隣接した専用の原子力発電所を建設しようという動きまである。デブリの解析が,新な知見として使われるようになることを期待したい。もしそれが人類や地球を救う新たな開発につながるのであれば,ハヤブサによる小惑星からのサンプル持ち帰りに匹敵する世界の称賛を浴びることになるだろう。
ここでもたもたしないでほしい。世界中の研究機関にもサンプルを提供し,一刻も早く結果を出して,提言をしてほしい。ドジャーズ移籍後1年でワールドチャンピオンになった大谷翔平選手のように,持続的にその技術力を示してほしい。