メンズ美容なぜ人気?クマ・くすみ気になる男性のスキンケア・メイク ポイントは | NHK (2024/11/1放送)をたまたま見てしまったので,一言コメントする。番組の中でも「男性の化粧については異論もあるだろう」と言っていたが,その異論かもしれない。
まず,ゲストにタレント氏が登場するのだが,そもそもテレビや舞台など人前で見せる仕事をする人が化粧をしたり着飾ったりするのは日常的なので,そこに男性化粧のコメントを求めるのは筋違いだろうと思ったのが1点。もちろん,インタビューで出演する人が一般の中高年で,普通に社会で仕事をしている人で,仕事上,あるいは家族の間で美容や化粧が効果を上げた案件を取り上げている点は問題ない。
次にスキンケアとメイクは,そもそもの目的が違う点を混在させている点が気になる。中高年になって身体が衰えるのはやむを得ないし,無理に若見えさせる必要はないと思う。年齢相応に身体の状態をキープする,あるいは健康を維持するために,栄養補給することは理に適っている。カルシウムなどのサプリメントの利用はこれに当たる。身体が不調にならないように必要な栄養を与えてキープすることである。
スキンケアは,主として状態のキープのための手段である。若いころは皮膚の新陳代謝が活発で,常に新しい細胞に置き換わり,皮脂も潤沢に出ることでハリと艶がキープされていた。逆に,皮脂が多すぎたり,何らかの理由で詰まったりすることで,ニキビなどの皮膚障害が出るほどである。しかし年齢が進むと,洗顔後,皮膚の油脂が取られて乾燥しやすくなる。これをキープするために,皮脂を取り過ぎない洗顔料や洗顔方法,洗顔後のケアなどが勧められる。肌のバリア性は乾燥によって失われやすいため,乾燥を防ぐケアは理に適っている。
しかし,その後の「メイク」は文字通り「作る」作業になる。クマやくすみは健康的な生活をすれば軽減する。飲みすぎ,睡眠不足などの生活習慣の改善が第一の対策となる。人に会うような場面でも,これを話のネタにしたり,きっかけにしたりすることもテクニックの1つである。それを化粧で隠すことは相手に対して隠し事をしていることでもあると筆者は感じるのである。
女性のメイクでも,ナチュラルメイクは問題ないが,それを越えると抵抗感が出てくる。メイクを落としたときの落差を想像してしまうからである。何事もほどほどにと思っている。
男性のメイクは,脱毛ブームとの関連もある。手足の脱毛よりもまず,ヒゲ脱毛を考える若者が増えているからで,脱毛後の皮膚トラブルを防ぐためのスキンケアから始まり,メイクへと進むのではないかと想像する。ヒゲがある間は気にならなかったシミなどを隠したくなるからかもしれない。
女性の間で韓国美容が流行っているのと同様,若い男性を中心に韓国の男性歌手・俳優のようなツルスベ肌を目指す人も増えているのだろう。中性的な男性に対するニーズが増えてきているからかもしれない。
さて,中高年男性の場合,いまさらツルスベメイクでもないと思うが,ツルスベスキンケアは歳相応にあっていいと思う。肌は敏感なので,人によって用品が肌に合う・合わないがあるので何とも言えないが,筆者の場合は100円ショップのジェル系の保湿美容液を洗顔後に使うだけのスキンケアを続けている。かつては,ヒゲ剃り後にスキンクリームを塗る程度だったが,年齢が重なってさすがに乾燥でガサガサな肌になるので保湿液を使っているのだが,ジェルタイプで30秒以内に肌になじむ点が気に入っている。クリーム系はずっとベタベタしたままなのが嫌なのである。ちなみに,肩こりのときに塗る鎮痛剤や,虫よけ剤もジェルタイプを愛用している。キーボードでの仕事や,スマホの操作などが多いため,サラッとした感触が欲しいからである。
「化粧」が文字通り「化ける」ことなので,イメージが大きく変わるアイテムには抵抗がある。老眼になって仕方なくメガネを使っているが,フレームが変わると見た目の印象が全然変わってしまうのが自分としては気になっている。なるべく普段は外しているし,縁の幅の広いメガネやフレームの色の濃いメガネはできるだけ使わないようにしている。
逆に,メガネをかけることで相手に対して一種のバリアを張っているような気持ちになるので,対人の場面ではメガネは使わないようにしている。テレビで見かけるタレントが,わざわざ縁の厚い黒縁の伊達メガネをかけているのを見ると,この人は相手に対して隠し事をしているのかもしれない,と思ったりもするのである。これは個人的な感想である。
仕事の面でも,プライベートでも,相手に不快感を与えないことが大事だと思う。スキンケアは賛成だが,メイクとなると相手に対して失礼のない範囲というのが微妙になってくるので,筆者としては賛成しがたい,ということをコメントしたい。