東大は「AIより農学部」に比重置く“40年前”の状態!新たな学問に配分できない深刻問題 | 野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る | ダイヤモンド・オンライン (2025/3/13)。
野口氏と言えば論客で有名だが,この投稿記事をざっと読んで筆者は大変失望してしまった。“東大だから,農業よりもAIを研究すべきである”と読めることである。
東大でのAI研究者は,このコメントを読んでどう思うだろうか。また東大の農学部の研究者は,このコメントを読んでどう思うだろうか。
生成AIではなく「盗用AI」というべき--Creativeな世界は崩壊した - jeyseni's diary (2023/7/20)と筆者はコメントした。正直,現在のAI研究は,AIビジネスに直結している。学者が研究の対象とすべき内容ではないと筆者は考える。学者はその先を考えるべきだと思うのである。
しかも,現在のAIは正直言って「人類のためにならない」「地球のためにならない」と筆者は考える。東大の研究者なら,この「AIの暴走」を越える理論を考えるべきだろう。そこに学生数を増やすこととは何のつながりもない。なんだか,思考が単純すぎると思う。
逆に,今の人類にとって必要なのは,エネルギーであり,食糧であり,環境である。しかし,AIは人類から仕事を奪い,電力を浪費し,そして「思考」する喜びを奪う。
さらに,農学部はかつては農業のための学部だったが,20世紀後半からはバイオテクノロジーのための基幹学部になっている。一方で,先進的な食糧生産に対する答えも農学部が出し続けている。農学部が農場を持っている大学こそ,世界を救える希望を持っている。
そもそも野口氏は,何者なのだろうか。略歴をたどると,東京大学工学部応用物理学科を卒業したのに,経済学を学んで通産省を目指したが大蔵省に配置され,その後は経済学畑をずっと歩んでいるようである。大学経営,日本の経営,という視点で見れば,東大は「AIより農学部」に重点を置いているように見えるのかもしれない。しかし,そういう見方でしかモノを見ていないように思える。
ならば,自分が学んだ半導体や強磁性体の研究が日本の経済を支えられなくなっていることに対して,どうコメントをするのか,AIが今後世界をどう救うというのか,語るべきだと思うのである。
それにしても,日本の経済を動かすのは官僚である。しかも通産省を目指し,国家公務員経済職上級試験に上位(2位)で合格し,大蔵省に入省した官僚経験者が,経済学者になったのも逃げだし,まして評論家であり,著書も雑学モノばかりで一貫性がない。
経済という視点からすれば,AIビジネスも宇宙ビジネスも人型ロボットもEV車も無人運転車も空飛ぶクルマも,そして仮想通貨などのバーチャルワールドにおけるビジネスも,アメリカや中国が主導しているので,経済学者からすれば忸怩たる思いがあるのかもしれない。しかし,筆者はこれらのビジネスは,人類や地球にとって破滅・破壊をもたらすと主張したい。地球温暖化を止め,環境汚染を止め,ヒトを含むすべての生命の共存・共栄をバランスを取って進めるのに,まずエネルギー問題と食糧問題を解決すべきであると主張したい。これは単なる個人攻撃ではない。これをまともに取り上げるマスメディアの問題でもあると言いたい。