jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

インバウンド観光者増がコメ不足にどの程度影響しているのかを計算してみる--あくまで机上計算

2024年後半に突然持ち上がった「令和のコメ不足」だが,減反政策に対して需要が増えたことが原因とされている。日本人のコメ離れが回復しているとは思えず,需要が増えたとするとインバウンド観光客がこぞって寿司,おにぎり,丼を食べたからだと伝えられている。

 折しも,1ヶ月の観光客数が390万8900人と過去最大になった(4月の訪日外国人旅行者数が初めて390万人超え過去最多を更新 春の桜シーズンや「イースター休暇」に合わせ需要増加か|FNNプライムオンライン 2025/5/21)。このインバウンド観光客が,どの程度コメの消費を増やしているだろうか,という単純な机上計算である。

 国土交通省発表の2023年の訪日外国人の消費動向 (https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001742979.pdf)によると,観光客の平均滞在日数は「10.1日」となっている。仮に390万人の観光客が1日3食とも寿司などの和食を食べたとすると,若干少なめに1日2.5食をコメ食にした場合,その食数は合計で1ヶ月98,699,725食(約1億食)と計算できる。

 一方,日本人はコメ食は平均で1日2食程度だろう。総人口は1億2450万人。これが月30日間,1日平均2食を食べたとすると,7,470,000,000食(約75億食)になる計算である。
 両者を比較してみると,インバウンドによる食数の増加は,ベースとなる日本の食数の「1.32%」と計算できた。日本人の平均が1日1食としても,この数字の倍の2.64%である。

 さて次に,これをコメの重さに換算してみよう。1食150gのコメを消費するとして,日本全体だと1ヶ月に56万250トン消費する計算になる。一方で,インバウンド需要では,1万4805トン増という計算になる。2025/2/14に書いたブログ(AI大臣、AI官僚を作らなければ--総合的判断ができない - jeyseni's diary)の中でも,日本の月あたりの消費量は約60万トンという数字が出されている。なかなかいい机上計算になっていると思われる。

 仮に,備蓄米を毎月10万トン放出するという話が続いたとしても,そのうち15%がインバウンド観光客の食需要を支えたとして,日本人の口には回ってくる量はさらに減ってしまうという計算になる。

 もし今,需要に追い付いていないのなら,1ヶ月ごとに30万トンぐらい放出しなければならなくなり,備蓄米が枯渇してしまう。したがって,出し渋っているうちに,価格への効果が全く出ずに終わってしまうのだろう。

 ここは,価格統制をすべき段階になっている。「5kgあたり3000円台」ではなく「5kgあたり3000円を上限とする」として販売すべきである。そして,せっかくの備蓄放出米の流通を止めているJAを解体するぐらいの大ナタが必要だと考える。