緊急事態宣言解除を明日2021/3/21 24時に控え,東京オリンピック2020の海外からの観客の受け入れの断念が発表された。開催そのものの1年延期に続く,大きな動きである。
2021/7/21からのオリンピック開催は実現したとして,海外からの選手の受け入れそのものも,まだ方法が定まっていない。日本までチャーター機を飛ばすのか,入国手続き時の検査はどうするのか,移動手段,宿泊所,競技場での検査もどうするのか,そして万が一,感染が確認されたらどうするのかなど,問題山積だが,とりあえず「選手をどう扱うか」だけに集中できるようになったことは望ましい。八方美人では,制御できない。
さすがにスポーツなので,選手同士が競り合わなければ競技にならないから,選手が闘う場所を東京が提供することになるだろう。そして,海外からの観客が来られないことで,これまで以上に高度な中継技術を駆使すれば,十分楽しめるオリンピックを世界に発信できることになり,日本の技術水準の高さを示せる大きなチャンスが得られたと言える。
この際,「日本の観客も受け入れをしない」ところまで徹底してはどうだろうか。あと半年で,5Gを日本中に展開して,その実力である時間のズレの最小化を図ることで,ものすごい楽しみ方を提供できるのではないだろうか。
しかも,これまでは「無観客試合」といえば会場での応援がなく,森閑としていて,選手のやる気が出なかったことが問題だったが,5Gの双方向通信機能を使って,家にいながら応援する声を会場でリアルタイムに再生して選手を鼓舞する,などということもできるはずである。会場周りを取り囲むような巨大なスクリーンを設置し,プロジェクションマッピングで観客を映す,という演出をすれば,選手と観客が一体になれる。半年もあればすべての会場に設置できるだろう。
これにより,選手の何百倍もの人数の観客のPCR検査のことを考える必要もなくなる。あらかじめ,この5Gによる視聴を希望する人に,クラウドファンディングで資金提供してもらって,設備を導入することを考えればいい。
聖火リレーもやめる代わりに,360度カメラを搭載した聖火カーでリレーのコースを中継すれば,家にいながらにしてそのコース全体を見ることができる。世界中の人が,自分たちが聖火ランナーになったつもりでコースの風景を楽しむことができる。こんなことができるのは,日本だけではないのか。クルマだけでなく,ドローンの映像も組み合わせれば,もっとダイナミックな映像を提供できるだろう。
各国への中継も,それぞれの国の選手にフォーカスして多元中継をすれば,それぞれの国にいながらにして,自国の選手の動きを見ることができる。こんな中継ができれば,今までにない高い評価が得られるはずである。
アナログな闘いの部分は実現しつつ,視聴側はオール・デジタルで提供することこそ,この新型コロナウイルス時代にあって日本が世界に発信できるユニークなオリンピックの姿なのではないだろうか。これなら,アニメ演出もCG演出も自由に行える。女性タレントにブタの恰好をさせる,などという品のない演出の発想など,いかにレベルが低いかと思い知らされるだろう。ジブリや任天堂,ソニーエンタテインメントなどを筆頭に,ONE PEACE,セーラームーン,君の名は,進撃の巨人,鬼滅の刃などのアニメ監督が結集して,すごい映像発信を考えてみてはどうだろうか。アニメ文化は,日本でしかできない演出なのだから。