jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

横断歩道で徐行だけでは危険行動になることを認識できないドライバーが多すぎる

秋の交通安全週間とのことで,各地でタレントによる一日署長のイベントが行われている。警察は,世の中のルールを守る存在だと信じてきた筆者にとっては,昨今の不祥事は信じがたく,そのうえこうしたオチャラケなイベントをされると,ごまかされているように感じてしまう。追っかけオタクだけが喜ぶイベントのように見えてしまう。

 明らかに警察官が足りない。犯罪の捜査も,交通安全のための取り締まりも,2023年から始まった自転車ヘルメット着用指導も,まったくと言っていいほど見かけない。欧米各国の警察官が絶対的な抑止力を持っているのに対し,日本の警察官には周囲を威圧するオーラが感じられない。制服を着ていることで逆に警察官自身が襲われる危険もあり,むやみに街中を歩かなくなったのかもしれない。

 クルマのドライバーのマナーも悪化していると思うし,自転車も我が物顔で無法地帯を走り回っている。これにさらに免許なしで乗れる電動キックボードまで加わってしまい,歩行者は安心して街を歩くことができなくなっている。

 横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場合,クルマは一時停止して歩行者に譲らなければならない。これは運転者にとってのルールでもあり,運転者のマナーでもあるはずである。何となく,各県での横断歩道での停止の度合いが調査され,どの県は8割だがどの県は2割だ,といった報道がされる。しかし,ただ調べてみました,というだけであり,点数の低い県民は迷惑するだけである。

 筆者が怖いと思うのは,横断歩道を渡る歩行者がいても「一時停止」せずに「徐行」でジリジリと近づいてくるクルマが圧倒的に多い点である。こういう「見込み運転」「きっと~だろう運転」は,本当に怖い。筆者は基本的に横断歩道を渡る際は,ドライバーの顔を睨むことにしているが,まったくお構いなしに徐行で近づいてくる。もし急に立ち止まったらとか,横から自転車がすり抜けて来たらとか,予測しないのだろうかと思ったりする。スバルのi-sightだったら絶対に停止するだろうな,と思ったりする。もはやドライバーに善意があるとは信じられない時代である。

 さらに,まったく徐行せずに横断歩道に突っ込んでくるのが自転車である。大きな交差点でさすがに赤信号で突っ込む自転車はいないが,交差点のない横断歩道で歩行者信号があるところでは,ほぼすべての自転車が赤信号を無視して横断歩道に突っ込んでくる。特に,歩行者信号が青になって歩き始める瞬間,歩行者は自転車が停まると思い込んで歩き始めるが,そこに自転車がフルスピードで突っ込んでくるので,危なくて仕方がない。

 一定速度で走ることは,クルマにとってはエコ運転であり,自転車にとっては楽な走行である。ブレーキを踏んだり,再発進したりするのはドライバーにとっては面倒だし,体力も使う。おそらく,マニュアル車の時代は下手に徐行するとエンストを起こすのできっちりとクラッチを踏んでブレーキを掛けていたように思う。オートマチック車ではエンストを起こさない上に,アクセルを踏まなくてもクリーピングで勝手に前に進んでしまうので,ブレーキの踏み方が甘くなってしまうのだろう。筆者もAT車は楽ちんだと思う。その甘えが横断歩道前の徐行になっていると分析する。

 自転車の場合は,たしかにブレーキでスピードを落としてしまうと,次にスピードを上げるときに力が必要になり,できるだけ停まりたくないという意識は働く。だからといって,歩行者信号を無視していいという理由にはならない。特に,車道脇を走るロードバイクのマナーが最悪である。

 筆者は10年前にママチャリ型の電動アシスト自転車を購入した。初期型でバッテリーの持ちがあまり良くなく,途中でバッテリーが切れると普通の自転車よりもペダルが重くなるという欠点がある。しかし,ほぼどんな坂でもアシストしてくれるし,急な下り坂での回生ブレーキは強力で,手動のブレーキなしでも坂を下ることができる。ほぼ平坦な街中でも,意外にアップダウンはあり,なかなかすごい発明だと思って重宝している。モーターの特性として,ゼロ回転でのトルクが最大になるため,走り出しのアシスト力が非常に強い。信号でいったん停止しても,次の走り出しは実に力強い。脚力が弱くなっている高齢者にもありがたい。ただし,その特性を十分に理解していないと,急発進による転倒などの事故の可能性は否定できない。おそらく,自転車の乗り方指導でも電動アシスト自転車の特性までは紹介していないのではないだろうか。

 警官の不祥事が続く中で,市民は警察による指導を素直に受け入れられないし,まして取り締まりともなれば,ネズミ捕りや昨今の移動レーザー式オービスなどの抜き打ち検査に対しての反感もある。おそらくいまだに,検挙者数に応じた報酬や検挙ノルマといったものが存在するのだろう。まるで,「違反者が多ければ多いほどいい」といったイメージを抱かせるので,ドライバーの反感を買うのではないだろうか。もっと適切な指導方法があるように思える。

 マニュアル車の時代は,人馬一体ではないが,クルマとドライバーがコミュニケーションしながら走っていたのを思い出す。坂道発進なら,どの程度アクセルをふかしてからクラッチミートすればいいかを考え,乗っている人数による車重も感じながら運転したものである。

 いまや,ドライバーは手放しでも走れるほど,クルマが進化してしまった。横断歩道で停まらないのはドライバーの悪意であり,i-sight車であればクルマは必ず停止する。頭を使わなくなったドライバーは,ただ自分の欲望のためにクルマを動かし,あおり運転も起こしてしまう。現代の高性能車は,頭を使わないドライバーにとって凶器を与えてしまったようなものかもしれない。

 逆に,アシストが必要な高齢者向けのクルマにはまともな装備が取り付けられておらず,逆走やペダル踏み間違いなどの事故が減らない。違反走行や事故を起こしても,高齢ドライバー自身がそれを違反だと認識していないのが恐ろしい。

 免許証の自主返納に対して,公共バスや協賛タクシー会社などの割引などの特典があるが,結局は国民の交通資源を利用しているだけで,積極的な支援策になっているとは思えない。ただ,高齢者にとっては完全自動運転のレベル5が必要と思われ,日本では実現できないだろうと思われる。

 経済成長が止まった日本で,政府にこれ以上の出費を期待することはまったくできなくなった現在だが,自転車・電動キックボード専用レーンの整備によって,クルマと自転車の分離,自転車と歩行者の分離を明確にしてほしい。さもなければ,歩行者横断歩道での徹底的な交通指導・検挙を交通警察の最優先業務として,おこなってほしい。まあ,期待はできないともあきらめてはいるが。