さよなら交通系ICカード? 大阪メトロ・JR西日本の「顔認証式ウォークスルー改札」 JR東の新Suica構想に影響を与える可能性もあるのか? | Merkmal(メルクマール)。
腕時計型ウェアラブル機器への疑問--指輪型も今ひとつなので,首掛け型(折り畳みディスプレイ付き)もほしいところ - jeyseni's diary (2024/2/1)と書いてから1年。電車の改札機の認証方法が,交通系ICカードタッチ(SUICA/PASMO)からスマホタッチ,スマートウォッチに続き,クレジットカードタッチ,QRコード読み取りと横展開した。しかし,地方では交通系ICカードのシステムを維持できず,SUICAなどを廃止する動きもあった。
一方で,カードやスマホを取り出さなくてもポケットに所持していれば,通信で認証するウォークスルー方式の新SUICAがJR東日本で導入が予告されていた。これはあくまでも交通系ICカードの延長線上にあった。
ところが,JR西日本が顔認証式ウォークスルー改札機を2023年3月18日に大阪駅で試験導入。今回,大阪メトロ,JR西日本で関西万博に併せて本格導入となった。
スマホの専用サイトからICOCA定期券の情報と顔情報を登録すれば,あとは改札で3次元顔認証して本人と定期券情報を照合するのだそう。また券売機を利用する場合は,切符購入時に顔をカメラで登録すると,ウォークスルーできるそうである。
現在,定期券としては,交通系ICカード,スマホアプリ,スマホと連動したスマートウォッチという形態があるが,カードもスマホもスマートウオッチもすべて家に忘れてきた,という場合でも,顔認証で電車には乗れる,ということになる。
すでに日本の空港では,パスポートをスキャンして顔写真を取り込み,カメラで照合して無人で出入国できるゲートが稼働しているが,これはデータをバックグラウンドで管理せず,その場でパスポートと照合している。つまり,パスポート所持は必須である。これに対して,JR西日本・大阪メトロ方式は,バックグラウンドに顔情報を持ち,手ぶらで改札機に近づいても顔認証できるという仕組みである。したがって,顔認識改札機がない駅では降りることができない。
個人認証を行うのに,指紋や静脈パターン,瞳の虹彩パターンなどでのセキュリティーが実用化されているが,顔認識での個人認証は,企業の社員の入退出といった限られた範囲では実用化されているにしても,不特定多数が乗降する改札機での採用については筆者としてはかなり疑問が残る。
ICチップを身体に埋め込んで,個人認証する仕組みが海外の一部で取り入れられ,実際にICチップを手のひらに埋め込む人も出てきた。この仕組みは,ペットの認識には採用され,現在取り引きされる場合はICチップの埋め込みと登録が義務化されている。
それほど,個人認証は厳密に行われるべきだと思うので,せめてICカードかスマホを持ち歩いて照合するのが正しいと思う。顔パスは顔のパターンという個人情報を公共の場で管理されるため,かなり危険な取り組みのように思える。
マイナンバーカードに運転免許証情報を組み込む「マイナ免許証」が2025/3/24に始まる。筆者はこれにはメリットはないと書いた(“マイナ免許証”は,さすがにやり過ぎ--確定申告につながるものだけに限るべき - jeyseni's diary 2025/3/10)。確定申告につながらないから,という明確な理由を挙げた。しかし,マイナンバーカードに定期券情報,あるいは電車の切符購入・乗車情報を組み込んだとすると,これは経費としてカウントされ,確定申告の経費計上につなぐことができる。したがって,「マイナ定期券」はありだと思うのである。ただし,認証方式がカードのタッチになるため,交通ICカードよりもさらに認証速度は遅くなると思われるので,採用しないに越したことはない。
ということで,筆者は顔認証改札機は遠慮させていただくことにしたい。