jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ナトリウムイオンバッテリーに期待--リチウムイオンバッテリーの膨張や発火の危険性から逃れたい

世界初ナトリウムイオンモバイルバッテリー|エレコム株式会社 (2025/3)。筆者は,これが「ゲームチェンジャー」になってほしいと感じたので,コメントしようと思う。

 モバイルバッテリーの主力であるリチウムイオン電池に代わるバッテリーとしての市販開始である。リチウムイオン電池が,高密度な充電池としてあらゆる機器で使われているが,衝撃や劣化によって発火の危険性があるということが問題になっている。また,原料となるリチウムが世界では遍在しており,マネーゲームや搾取の要因となっているという問題もある。さらに,さまざまな形態のバッテリーとして市場に出回ってしまったため,バッテリーの回収も難しく,さらにそこからのリサイクルにもコストがかかることから,ほとんどリサイクルされていないのが現状である。

 これに対してナトリウムイオンバッテリーは,高価な材料を使わないうえに劣化しにくく,衝撃に対して発火するという危険性もない。繰り返し充電回数もリチウムイオン電池に比べて10倍の5000回が可能という。欠点としては,同じ出力だと大きく重たくなることが挙げられている。これも考え方次第だと思う。

 筆者の手元にも,複数の使用済みのリチウムイオンモバイルバッテリーが残っている。リサイクルのルートがないからである。またEVやハイブリッド車リチウムイオン電池も,ほとんどリサイクルできずに積みあがっていると聞いている。そもそも,世界中のクルマがEVになったら,原料がなくなってしまう,という試算がかつてあったはずである。CO2は出さないが,決してサステナブルではない。

 ノートPCのリチウムイオン電池はさらに厄介である。PCの薄型化を目指したためにかつての箱状のバッテリーではなく,ポリ袋状のバッテリーが主流になったために,劣化すると内部に気体が発生して大きく膨らんでしまい,PCのパッケージを壊してしまうほどになってしまう。筆者の主力ノートPCはこのために電池交換を依頼したし,かつて所持して放置しておいたMacBookも,内部でバッテリーが膨らんでタッチパッドを破壊するほどになってしまった。交換後の劣化バッテリーはどう処理されるのか,まったくブラックボックス状態である。

 ナトリウムを使うバッテリーとしては,大容量NAS電池(ナトリウム・硫黄電池)というシステムが開発されている。モバイル用ではなく,風力発電などの安定供給のための大型二次電池として使われている。こちらはナトリウムや硫黄を融けた状態で使う必要があり,モバイルバッテリーには使えないようだが,家庭用への展開で太陽電池パネルと併用するリチウムイオンバッテリーの代替ができるのではないかとも思える。

 以前も書いたが,リサイクルには余分の電力が必要となり,しかも完全に元には戻らない。金などの希少金属が採れるとして,「都市鉱山」などという言い方は魅力的に聞こえるが,実は経済原理からするとほとんど無意味で,政治家のきれいごとにしか使われない。

 ナトリウムイオンバッテリーのリサイクル性については未知数の部分があるが,破砕ゴミ,有害ゴミとして出しても火災などの二次災害は起こさない可能性が高いと思われる。ちょっと高い,ちょっと重い,というところを何とかいい形にして,ここは中国大手スマホメーカーと提携して,採用してもらう道を模索してほしい。

 一方で,EVに搭載する充電池に対しては,「全固体電池」の開発も急速に進んでいる。安全性を高めたり,急速充電ができるなどの特徴があるが,最終的にはリチウムを使うことになる。クルマ用には全固体電池への置き換えが現実的かもしれない。

 とにかく,充電中や電気的ショート,機械的破壊などによって勝手に発火する危険性のあるリチウムイオンバッテリーは,なるべく早くなくなってほしい。何がなんでも,とりあえずナトリウムイオンバッテリーは普及をしてほしいと願っている。