新型コロナウイルスの変異ウイルスの割合が増えている。2/22~28の1週間では,関東の1都3県で4266人が新規感染確認者で,このうち1割の418人に変異ウイルスの検査が行われた。このときは,変異ウイルスの感染者数は1人だった。しかし,その後は急速に感染者数が増えているようで,3/5までに20都府県で合わせて194人が変異ウイルスに感染したとされている。関西でも,大阪,兵庫,京都を中心に,変異ウイルスの感染者数が増えている。
感染力が1.7倍とか2倍とか言われる変異ウイルスは,筆者も脅威を感じていた。イギリスでは,感染者の8割がイギリス型の変異ウイルスに置き換わっているという。ワクチンの接種が先行しているイギリスで,変異ウイルスにワクチンが効くのか,情報が早くほしいところだが,日本でも変異ウイルスへの切り替えが早く進むと,せっかく始まったワクチン接種が無駄にならないとも限らない。第四波の懸念が現実になりつつある。
変異ウイルスに対しても,基本的な対策は同じである。変異ウイルスが広まる前の今,「三つの禁止」を提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/15。ここで提案したのは,「ア話会」(アルコール+会話+会食)なしでの外食を盛り立てるよう,店舗入り口での2人以上の入店を「禁止」,対面の会話「禁止」という「三つの禁止」である。
それにしても,1都3県はまだ2回目の緊急事態宣言(2回延長中)の真っただ中なのだが,通勤時間の電車の混雑率は平時の7割ぐらい。ターミナル駅の混雑率も7割ぐらいになっている。肩がぶつからないように歩くのが難しいぐらいの混雑度である。この状況を海外の人が見たら,卒倒するのではないか。これで感染を抑えきれず,また第四波になったら,世界中の笑いものになるだろう。
イギリス型,ブラジル型,南アフリカ型に次いで,第4の不明な変異ウイルスも確認されているという。若い人,特に子供への感染のしやすさも言われている。現時点でもあまり抑制の効かない若い世代での感染爆発がまた懸念される。
変異ウイルスによる感染の再拡大があると,再び医療現場も逼迫してくる。一方で,緊急事態宣言の下,営業時間短縮などに応じてきた飲食店への協力金がまともに支払われていないという事情も明らかになってきた。閉店,倒産してから振り込まれても遅い。
医療機関の倒産の危機にあるが,金銭的には補助が進んでいるのだろう。医療機関がつぶれては医療崩壊が加速するからである。一方,飲食店が倒産しても,政府は何とも思わないのだろうか。現場からの悲痛な声が聞こえてきている。
日本の行政の対応こそ,差別的ではないのか。トップに近いところは,感染しても優先的に病床が用意され,疑惑があっても体調不良で入院,追及の前に辞任して,「一般の方なので,追及する立場にありません」と逃げる。退職金は払われ,年金も払われる。PCR検査待ちで亡くなる方もいれば,PCR検査で陽性になっても,入院できず自宅待機に調整されている間に亡くなる方が1月に続出した。庶民は見殺しである。一方で,店舗を開店休業状態にして働かずに協力金を不正受給することが組織的に行われたり,生活保護申請で働かずして受給を受けている人が増加している。協力して,努力して,工夫している人たちが,報われていない。国会では何を遊んでいるのか,と言いたい。
第四波がくると,緊急事態宣言は再延長される。変異ウイルスの発見で先行している関西2府1県もまた緊急事態宣言に組み込まれる。そして,今度こそ医療崩壊するのではないか。そして飲食店崩壊もさらに一気に進む。教育も崩壊する。聖火リレーは始まらず,そして最終的にはオリンピックも中止になるだろう。オリンピックは個別の国際大会とは違う。国際大会とオリンピックの違い - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/6。緊急事態宣言の再延長は,政府の責任問題でもある。菅義偉首相はオリンピックの中止を宣言し,辞任する道を選ぶべきだろう。