jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「他人事(ひとごと)」が横行しすぎている

3回目の緊急事態宣言,初めての蔓延防止等重点措置が場当たり的に発令され,ゴールデンウィークに入って最も影響を受けているのが,飲食業と観光業である。新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために人流を抑えると,これらの業界に影響が出るのは仕方がない。

 しかし,ロックダウンができない日本では,結果として人流を抑えることができない。したがって,感染拡大を抑制できない。グズグズしているうちに感染力の高い変異型ウイルスにほぼ切り替わってしまった。医療体制もほぼギリギリの状態になっている。「短期集中」で感染拡大を抑えると言っても,言葉だけで,抑制力がない。

 これに拍車をかけているのが,日本人の「他人事(ひとごと)」精神である。昔から「旅の恥はかき捨て」というのが日本人である。旅先では王様気分で好き勝手な行動をする。宿泊先で浴衣姿が許されているからといって,ロビーや街中まで浴衣姿で歩く。外湯めぐりができる温泉街ならともかく,どこでもこれをやってしまう。海外でも同じ行動である。

 ゴミを辺り構わず捨てるのも日本人である。ゴミのポイ捨てについては,このブログでも10回以上コメントしている。日本人は,無意識にゴミを捨てる国民である。だから厄介である。ルール破りではなく、そもそも「ルールとして認知できない」と思わないとやっていられない - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/24。以前,アメリカでは意図的にゴミを捨てる,それはゴミを拾う仕事をする人がいるからだ,と聞いたことがある。当時,街の清掃をするのは貧困層の仕事,特に黒人の仕事だとされていた。当時,これは詭弁かと思っていた。だが,それほど所構わずゴミを捨てる人はいなかった。シンガポールは,ゴミ捨てやツバ吐きに罰金が課せられる。街はゴミがなく,実にきれいである。

 日本では街中にゴミが捨てられている。以前はタバコの吸い殻が辺り構わず捨てられていた。さすがにこれは減った。JTのイメージ戦略が功を奏したのか,電子タバコが功を奏したのか,あるいは歩きタバコを禁止する地域が増えたからなのか。しかし,コンビニで買ったパンやおにぎりの包装紙,自動販売機で買った飲み物の缶やペットボトルなど,辺り構わず捨てられている。

 これに加えて,使い捨てマスクが捨てられる 可愛そうな“捨てられマスク” - jeyseni's diary 2020/7/28。ひょっとしたらウイルスが付着しているのではないか,と思うとゴミ掃除をしていても取り扱いにくい。落としたとも思えない。自分で処理してほしいと思うのだが,だれかがゴミ処理をしてくれると思うのだろうか。

 そして,人流である。街中でのインタビューを聞くと,「密を避けて注意しています」とか「旅先の方が空いているから」とかもっともらしい回答をしつつも,結局人流を作ってしまう。他人事なのである。人流を止めるにはロックダウンしかないと思うのである。

 人流を止めた上で,飲食業を救うのはロジスティクスである。Uber Eatsや出前館だけでなく,宅配便系ももっと活用すべきだろう。金銭的助成だけでなく,「仕事(売上)を助成する」という方法がいくらでもあると思うのである。

 観光業には申し訳ないが,2020年以上に感染拡大と医療逼迫の事態は深刻である。以前提案していたいくつかの話題 「新しい生活様式」ではなく「新しい産業構造」の発想転換が必要 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/5/5 や,トランスポーテーション込みの新しい国内観光業のあり方を提案 - jeyseni's diary 2021/3/13,テレワーク城下町を作ろう - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/5/6,移動をしたい人は,抗原検査キットで自宅で陰性を自己証明すべき - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/11/28などを参照していただければと思う。大阪府の重症患者を東京都にドクターヘリで運ぶという話も出ているが,むしろ客室の多いホテルを病棟として提供いただく方が,医療崩壊に対する答えになると考える。とにかく,「寝て状態を監視するベッド」を緊急に増やす必要があるからである。ホテルは清潔なところ,美しいところであり,そこがウイルスによって汚されることに抵抗は大きいだろうが,「今が正念場」「今は戦時」であり,飲食店のロジスティクス作戦と併せて臨戦体制を敷いてもらいたいのである。

 まさにこれらのコメント自体が「他人事」に聞こえて申し訳ないと思う。しかし,すべての対策が「2日後から」とか「週明けから」とかノンビリしすぎて,緊張感がない。政府も自治体も「他人事」みたいに聞こえるのはなぜだろうか。もっと強権発動してもいいのではないのか。責任を取るのがそれほど嫌なのか。オリンピックももはやムリなのではないのか。アメリカやイギリスで抑えが効いてきている一方で,インドやドイツでの新たな感染拡大と,世界中を見るとまだまだ歯止めがかかったとは言い難い。当事者国である日本の感染拡大状況を各国が見ている中で,ワクチン接種もさらにスケジュールが延びている。PCR検査や抗原検査の体制も,いっこうに整わない。日本での変異型ウイルスへの転換も,海外からは懸念されている。一流選手をどのように日本に迎えるのかについても,いっこうに方法が示されない。あらゆる場合を想定したシナリオ設定がまったくできていないように思える。そのうち収まるだろう,海外でワクチンの効果で収まってきた,とか,やっぱり「他人事」のようにしか聞こえないのである。

 もう一度,「緊急事態」感がまるで感じられない。公共交通を止め,クルマのナンバー規制で警察によって人流を止めよ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/26 で実質的なロックダウンを行うべきだと思うのである。