新型コロナウイルス感染症五類変更後89週,90週は,6.06人で引き続き小康状態を示している。インフルエンザも5.87人と,注意報レベルを下回っているのだが,報道される現場の状況とずいぶん乖離している気がする。
インフルエンザの流行は,今回はA型でのスタートが早く,例年はA型からB型に流行中心がずれて2つ目の山がスタートするというのがパターンなのだが,その2つ目の山がまだ出てこない。
しかし,医療現場はかなり逼迫している様子が引き続き伝えられている。インフルエンザで重症化してECMO(人工心肺)を子供に使うケースも伝えられている。
現在のこの統計は,実態を反映しているのだろうか。拠点医療機関が出している数字がベースとなっているのだが,統計のためのデータ登録業務が滞っているということはないのだろうか。現場の声を主に伝えているテレビメディアが,逆に話を盛っているなどということはないだろうか。メディアにいた筆者としても,近年のメディアの言動は信じがたいほど情けない。テレビの場合は,本局だけでなく,そこにぶら下がりを競い合うさまざまな外部制作会社,週刊誌の場合は,本体だけでなく,パパラッチと呼ばれる外部カメラマンやYoutuberなどの闇情報で動いたりする。すでに,メディアとしての存在意義を失っているのは,広告出稿数の激減が物語っている。
しかし,ここは「メディアの本懐」である。本当にこの発表されている数字が正しいのか,そこを追求すべきではないのか。もともとが官僚が作っている数字である。官僚こそ信頼が置けない状況ではないのか。常に数字のマジックを撒き散らしているからである。今年度予算についても,一般庶民には理解できないような数字が並んでいる。今年は野党の力によって事前の分析が厳しく行われているようである。数字の大盛りが見つかれば,1つ世の中がいい方向に向かうということかもしれない。