VR(バーチャル・リアリティ)とリアルを組み合わせるAR(オーグメンテッド・リアリティ)のメガネ(グラス)やゴーグルについては,筆者も非常に関心を持っている。ゴーグル型のApple Vision Pro(一線を超えたApple Vision--「現実」が“現虚”になってしまうのか - jeyseni's diary 2023/6/17)が,技術的な最終形を提示した後,メガネ型ARグラスで一線を超えたのが,XREAL One Proである。視野角をその前のモデルXREAL Oneの50°から57°に広げ,没入感が一気にアップしたという。頭の動きに合わせてバーチャルの画面を固定できる6DoF機能にもオプションで対応し,没入感をさらにアップした。
自分の身体にさまざまなモノをつけることに,筆者は基本的に抵抗がある。VRゴーグルもいくつか試してみたが,頭に何かかぶり,目の周囲にパッドが当たる感覚は,5分とガマンのできるものではなかった。老眼鏡を使い始めてから,メガネは1時間ぐらいは連続して使えるようになった。しかし,遠景を含めて8割は見えるので, 1日の大部分はメガネなしで過ごしている。老眼鏡を着けたり外したりする手間はあるが,あえて遠近両用など,1日中使うことを前提としたメガネを作るつもりはない。したがって,仕事で1時間ほどは連続して使いたいので,見え方と同時に装着感も違和感がないことを求めている。
XREAL One Proの重さは87g。超軽量クラスのメガネは20g前後。黒縁メガネでも30gぐらいなので,それよりもかなり重い。鼻や耳に掛かる重さはそれなりにある。この感覚は人によるので,1時間使っても気にならない人がいれば,気になって仕方がない人もいる。評価する人によって,その評価にも差が出る。だれもが納得できるところまでは,まだ行っていないようである。
また,バーチャルとリアルのミックス度合いについても,人による感じ方の差がある。画面そのものには違和感がないが,例えばキーボード操作は手元がリアルに見えている必要がある。その感覚にはまだ最適化ができていないのかもしれない。自分の目や普通のメガネを通じたリアルの世界との差が感じられることが多いようである。
自宅や職場だけでなく,電車の中や歩いているとき,またクルマを運転しているときなど,ARが今後活躍できる場面はいろいろと想定できる。そのときに,どこまで違和感なく使い続けられるか,がポイントとなるかもしれない。
ほとんどの装飾品が気になる筆者は,腕時計さえ使わなくなった。帽子もかぶらない。イヤホンは,騒音が激しい電車の中ではインナーイヤー型を使うが,長くても15分が限界である。連続して使う場合は,イヤカフ型のオープンエアータイプを使う。耳の穴を塞いでいると蒸れてくる感じが嫌いなのである。まして,密閉型のヘッドホンをしている姿は,まったく想像できない。
したがって,ARメガネといっても,リアルメガネに文字や矢印などの情報がときどき表示されるような簡易版でないと使わないかもしれないと思っている。かつて,コンタクトレンズの中にディスプレイを組み込むというコンセプトが紹介されていたが,コンタクトレンズを目に入れるということも自分の性格には合わない。
筆者の我がままを納得させてくれるARメガネはいつごろ登場するだろうか。今後も期待を込めてフォローしていきたい。