「道路交通法上の『自転車』とは、『ペダルやハンド・クランクを用いて、人力で運転する二輪以上の車であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの』を指す。かつて自転車といえば,モノを運ぶための荷台の大きな仕事用の自転車か,子供から一般人までが乗る一般向け自転車の2種類しかなかったと思う。あとは競輪用とか,プロ競技用のロードバイクが使われていた程度だと思う。
ところが,いまや一般人が乗れる『自転車』は,プロ用のロードバイクも買えるし,山道でも走れるオフロード車,ジャンプなどの競技ができるBMX車など,スピードも出れば道路以外でも走れるアクロバチックなモデルもある。折りたたみタイプもある。
一方で,電動アシスト自転車もあるし,その中でも普通自転車タイプや昨今の低重心モデルもある。
さらに電動機能がキックボードと融合した電動キックボードが登場した。電動バイクは「第1種原動機付自転車」で,いわゆる『原付き』なので免許も必要だしヘルメットも着用義務があるが,電動キックボードは免許不要,ヘルメットは努力義務。そして電動キックボードの自転車型というべき「特定小型原動機付自転車/特例特定小型原動機付自転車」が,電動モペットと呼ばれるようになった。
この辺りを一度整理してみたのが,次の表である。
| 免許 | ヘルメット | 時速km | 原則走行 | |
| 一般自転車/ママチャリ | 不要 | 努力義務 | 20 | 車道 |
| ロードバイク | 不要 | 努力義務 | 40 | 車道 |
| マウンテンバイク | 不要 | 努力義務 | 30 | 車道 |
| BMX | 不要 | 努力義務 | 30 | 車道 |
| 折り畳み自転車 | 不要 | 努力義務 | 20 | 車道 |
| 電動アシスト自転車 | 不要 | 努力義務 | 20 | 車道 |
| 電動キックボード(特定小型原動機付き自転車) | 不要 | 努力義務 | 20/6 | 車道/歩道 |
| 電動サイクル(特例特定小型原動機付き自転車) | 不要 | 努力義務 | 20/6 | 車道/歩道 |
| 電動モペット/電動バイク/フル電動自転車 | 必要 | 必要 | 30 | 車道 |
| ペダル付き電動バイク | 違法 |
この表を見ると,いろいろと矛盾が見えてくるのではないだろうか。いわゆる自転車は歩道を走ると違反になる。一方,電動キックボードや電動サイクルという新カテゴリーでは,「時速6kmモードなら歩道を走ってもいい」ということになっている。
ところが,自転車のユーザーは子供から一般人まで幅広い。一般車で理性のある人なら,歩道でも安全を守って走行するし,歩行者がいれば徐行する。歩道で暴走するのは,傍若無人な男性や若者が中心である。すべての自転車を,車格だけでひとまとめにするのは,あまりにも無策だと思うのである。
まず,スピードを出しやすいロードバイクやクロスバイク,マウンテンバイクなど,競技でも使えるようなジャンルの自転車は“ハイスピードバイク”と定義し,これには免許の取得とヘルメットの着用,自賠責保険登録の義務づけをすることを提案する。車道を走るのに,交通法規の知識のない人に許可することがおかしい。要するに,オートバイと同様の免許取得をさせるべきである。当然,歩道を走ることは許されないし,普通にスピードを出したいのだから,車道を走るのをベースとすべきである。
一方,一般車やスピードの出ない折り畳み自転車などは,歩道走行を基本とし,逆に車道を走ることを禁止するべきだろう。
さらに,電動キックボードや電動サイクルという「特定小型原動機付き自転車」で時速20kmで車道を走行したい場合は,免許取得,ヘルメット着用,自賠責保険登録を義務づけるべきである。もし免許なしで乗りたい場合は,歩道走行で時速6kmモードのみとすべきである。このためには,走行記録を保存する必要がある。でないと,免許なしで20kmモードで車道走行したことを実証できないからである。
逆に,手動ブレーキを付けたキックボードは,「自転車」として歩道走行を認めるべきである。足で蹴るのでスピードは出ないし,手動ブレーキがあるので自転車のように安全にブレーキを掛けることができる。フットブレーキモデルは,ブレーキ操作そのものが不安定なので,「自転車」としては認められない。
以上のように定義すると,子供の自転車,子供を載せたママチャリ(電動アシストを含む),一般自転車は,歩道を安全に走ることができる。一方で,これまで歩道を無茶な走行をしてきたロードバイクなどのハイスピードバイクは,車道しか走れなくなり,四輪車やバイクなどと同様,交通ルールを遵守する必要がある。違反をすれば免許剥奪を含めて走行できなくなる。電動キックボードなども,歩道走行は時速6kmで安全,車道走行も無免許ではできなくなる。
筆者は,シンプルなキックボードを移動手段として認めてほしい--自転車的な装備の義務づけが条件で - jeyseni's diary (2024/11/20)で書いたように,キックボードで歩道走行をしたいと思うのである。キックボードのいいところは,持ち運びが容易なことである。普通の人が自転車で移動した際,行き先で自転車を駐輪しなければならない。これが面倒である。軽量のキックボードなら,畳んで持ち歩くことができるし,電車に載せるのも簡単である。電車で移動した先でまた移動に利用することができる。折り畳み自転車でも同様のことができるが,それなりに重い,輪行袋が大きい,折り畳みや組み立てに時間が掛かる,など,意外に面倒である。電動キックボードでは折り畳みや組み立てが簡単なのでいいかと思ったが,意外に重い,輪行袋が必要という点は同じである。
ただ,普通のキックボードやローラースケートなどはブレーキが不十分だったり,自分の足で停めなければいけなかったりするので,安全性の点では問題がある。一般道や歩道での移動手段としては,やはり認められないだろう。
2026年4月以降,自転車の通行にあたって違反者には青切符と罰金が掛かる。子供や子供を載せた自転車,ママチャリなどの一般自転車まで,車道を走らなければならなくなる。子供,女性,年寄りが,フラフラと車道を走る光景は,異常としか思えない。あと4ヶ月の間に今回の提案のような区分変更をすべきであると提案したい。
結局,政治家は勢力争いか,上から目線の補助金バラ撒きにしか興味がなく,庶民の生活などに関心がないのだろうか。野党こそ,こういう問題を取り上げるべきだろう。