jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「職域」でまとまることすらしないのは,最終的には“ブラック”なグループ

職域接種が今日2021/6/21から本格的に始まった。まずは当初から対象となっていた大企業と大学。産業医がいる企業や医学部のある大学が,最初に始められる体制ができた。航空会社,鉄道会社,通信会社なども接種を開始。特に航空,鉄道はエッセンシャルワーカーも多くおられる。3月の高齢者枠と同時でもよかったぐらいだ。

 中小企業でも,同業者や協会で集まって1000人以上をクリアして職域接種に応募が始まっている。タクシー会社,観光業,そして観光地では街全体で職域として登録。地域全体としての感染拡大防止に乗り出す体制になった。

 さらに,実際に就業している人だけでなく,その人の家族,会社の協力会社までまとめて,職域接種対象にする動きも活発だ。ソフトバンクグループは,自社だけでなく,本社のある福岡の人ならだれでもいいというまとまり方をしている。こういう形でのまとまりができることはかつてなかったことではないか。災害防災のために地域で訓練することはあっても,人任せというのが多かったはずだ。

 さて,地域的なまとまりがありそうでないのが,飲食店業界かもしれない。アメリカのニューヨークのあるバーで,入店する人に抗原検査をして,陰性なら入店して自由に飲んでもらう,という取り組みを紹介した 移動をしたい人は,抗原検査キットで自宅で陰性を自己証明すべき - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/11/28。同じブログの中で,歌舞伎町やすすき野などの歓楽街がまとまって,そのエリアへの立ち入り時に抗原検査をすることで,ホワイトゾーンを作ることを提案した。もちろんだれも動きはしなかった。今なら,職域登録で歌舞伎町全体で登録すれば1000人のグループを作ることはできると思うが,そういう話をまだ聞かない。接客という意味では観光業に近いマインドではないかと思っていたのだが,自分たちが感染しにくい状況を作るために少し痛い目をして頑張る,というマインドは彼らにはないのかもしれない。

 大手メディアも職域接種の話を聞かない。テレビ朝日朝日新聞で職域接種をするという社員評論家のコメントが6月頭にあったが,実際に進めているのかどうかは分からない。「接種が必要な人,接種を早くから希望している人がまだ接種できていないのに,さっさと接種すると世間から叩かれる」から先行して接種を始めないとも噂されているが,同様に「副反応」「ワクチン関連死」などを大々的に取り上げているものだから,自分たちが接種することが怖いのではないかといううがった見方もできる。あくまでも他の国民をモルモットにして,自分たちは高見の見物を決め込んでいる,という風である。もともと同じ立場にいた筆者からすれば,それはミエミエである。

 あとは,筆者が所属しているような弱小企業だが,これは単に弱小というだけではなく,明らかに社員やその家族,関連会社などのことを配慮しない“ブラック企業”の証明である。テレワークに対する投資も補助申請もせず,社内の感染拡大防止策も限定的または皆無,という職場が,接種に必要な医療従事者を手配したり,そのための勤務体制の融通などをするとはとても思えない。

 言い方は悪いが,「ああ,タクシー会社よりマインドは下なんだ」と改めて思わざるをえなくなっている。

 ちなみに,「協会健保」という単位で関係企業をひとまとめにする方法はあると思うのだが,そこに乗るというマインドもないのかもしれない。定期健康診断の枠組みを使えば,1000人規模のかたまりを複数社で作ることなど容易だと思うからである。

 まあ,それでも職域の枠組みからこぼれ落ちるのが,国民健保の対象者だろう。大手企業の職域では,アルバイトなどの非正規人員も接種対象に加えるという動きがあるが,個人事業主やタレント,執筆業など,国民健保のお世話になっている人は自治体の個別接種に頼るしかない。少なくとも接種券が届かないということはないだろうというのが希望的観測である。