jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

トルコ地震が「もし日本で起きたらどうなるか」という仮説が出ないのはなぜ--9mの断層のズレだと日本のビルも同過去程度に倒壊する【追記】

トルコ・シリア国境で2023/2/6に起きた大地震。規模はM7.8とされている。東日本大震災の規模がM9.0とされており,数字から言えば1/10以下ということになるが,阪神淡路大震災のM7.3と同等ということになる。

 阪神淡路大震災では,断層のズレが50cmだったが,今回のトルコ地震では9mもずれた。同等とはとても言えない。

 もし,日本で9mものズレが起きる地震が,2回も連続で起きたと仮定した場合,今の日本の建築基準で建てられた建物は耐えられるのか,と言えば,恐らく今回のトルコ地震並みの倒壊被害を起こしていたのではないだろうか。

 というのも,筆者は阪神淡路大震災のときには東京に居たが,地震から1週間後に現地入りし,地震の実態を自分の目で見てきたからである。

 筆者の実家の前にあった2階建てのアパートは,1階が完全につぶれてしまった。昔からお世話になってきたお米屋さんの向かいにあった5階建てのビルは,道に向かって前方に10度も傾いていた。後日,このビルは取り壊された。

 ニュースでご存知のように,阪神高速道路は1本脚の区間で完全に横倒しになったし,新幹線の足場も崩れた。筆者が実際に見たのは,国道の立体交差の橋脚の鉄筋コンクリート構造が,見事にへしゃげてしまった状況である。

 トルコ南部やシリア北部が,特に貧しい地域であり,日本と同等と言われる建築基準が守られていないケースが多かったために被害が大きくなったと言われているが,9mものズレを伴う地震が日本で起こった場合,おそらくトルコに近い倒壊状況が再現されるのではないかと想像するのである。

 しかし,トルコ地震の死亡者が,建物の倒壊によるものなのに対し,東日本大震災の犠牲者は,ほとんどが津波による被害者である。まったく性格が違う地震なのに,死亡者数が同等になっただの,超えただの,と無意味な比較をしているメディアのバカさ加減にはつくづく呆れてしまうのである。

 「○○に詳しい〇〇先生」の御説を聞くと,絶対に結論を言わない。結論が外れた場合に自分の名誉が傷つかないようにしているのである。実際,「そんなこと,素人でもちょっと考えたら答えが出る」というレベルの答えでしかない。

 衛星画像から地震規模を分析したりするのは結構だが,正直その情報はまったく役に立たないものであると思う。9mの断層を引き起こす地震が日本で起きた場合の被害のシミュレーションは必要である。トルコと日本は友好国なのだから。

【追記】今回のトルコ・シリア地震で被害を受けた地域は,日本に当てはめると関東から始まって名古屋から大阪まで広がる広範囲に及ぶ。阪神淡路大震災は,淡路島から神戸を中心にしていたが,極めて限定的だった。それでも東西の主要交通が回復するのに1ヶ月かかった。もともとインフラが整備されていないトルコで,阪神淡路大震災のおそらく100倍以上も広い範囲で,交通もライフラインも整備されていないトルコで,すでに1ヶ月が経過し,これからどうなるのか,非常に気になる。