jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

アスリート,トレーナーは,コリの辛さを知らない--一般人の身体は自由には動かない

世の中のアスリートは,毎日のように身体を動かし,自分の身体の状態を見ながら調整を繰り返している。自分の身体のことをよく知っているはずである。

 アスリートの関節の可動範囲は,一般の人よりもはるかに大きい。一般の人はその可動範囲の端でさまざまな痛みを覚えるので,それ以上に広げることはできない。その可動範囲の中なら,力を入れなくても動かすことができる。日常生活の動きや,歩くだけなら,この範囲の動きで十分である。動きを支えるための筋肉も,必要以上に鍛えなくても済む。

 一般人はそのうち,筋肉も関節も動かすことなく固まってしまう。これがコリである。座り仕事が増え,運動をしなくなった現在,一般人のコリは取り戻しもつかないほど固まってしまう。これを,ストレッチやさまざまな運動,指圧や鍼などの刺激,湿布薬やビタミン剤などのクスリなどで緩和しようとしても,一時的には血行が良くなったりするが,柔軟性を失ったコリの本質的な解決にはならない。原因がなくなっていないことに加え,より可動範囲の広い,ストレッチの効く身体には戻らないからである。

 アスリートは,可動範囲の広い関節での動きをコントロールするために,筋肉を鍛える。可動範囲が広いから,十分なストレッチもでき,筋肉も柔軟になる。結局,コリというものを知らないうちに,アスリートとしての才能を発揮し,その才能を伸ばすことができたのである。

 さらに,身体を資本とするために,より広い可動範囲を求めて毎日のようにトレーニングをし,身体の柔軟性を高める。相撲の力士であれば“股割り”や“四股踏み”をするだろうし,バレリーナも開脚トレーニングをする。中国雑技団では180度以上の開脚トレーニングも平気でしている。

 同様に,世の中のトレーナーと呼ばれる人たちも,基本的にアスリートと同様,可動範囲の広い関節を持つ。ストレッチもでき,そして筋トレもできる身体を持っている。指導者として仕事をしている現在,身体の自由度が低ければ仕事にならない。無理なくストレッチができる身体を持っている。そもそも,自分の能力に気づいたときに,コリなどはなかったのである。

 そのトレーナーがいくら指導しようが,一般人はこれまで動かさなかった関節をそれ以上動かすことも基本的にはできないし,伸ばさなかった筋肉や筋をいくらストレッチしても,一時的には刺激が加わるかもしれないが,数十年も動かさなかった筋肉や筋が適切に伸びるわけがない。伸びなければ力を加えることもできず,したがって鍛えることもできない。

 かつての整体師は,患者の身体を力任せに曲げたり,関節を音を立てて伸ばしたりして,「整体」と称してきた。自分たちは柔道をしてきて,もともと身体が柔らかいし,十分な関節可動範囲と伸びる筋肉,筋を持っているから,「ここまで伸びるのが当たり前」とばかりに施術してきたのである。現在の理学療法士は,こんな指導はしないだろうが,いずれにしても,コリを自分で知らない人ではないかと思われる。

 このブログで,筆者自身のコリと,そのコリを直接ほぐす方法,ストレッチ,歩き方,靴の選び方まで報告してきた。ほとんど無感覚な状態から筋肉などを意識できる状態になるまで,また痛みから不定愁訴に変わるまで,それぞれ7~8年かかっているし,不定愁訴がほぼ消えて夜寝つく前にほぼ何も感じなくなるまでも5年はかかっている。ようやく腰を落として四股のような形もできるようになった。次の目標である開脚がいつできるようになるか,それとも加齢が先立って筋肉が固着するのが先か,ギリギリのところに来ている。

 筆者のやり方は自己流で,骨や筋肉などの知識もまったくない。理学療法のような理論的な裏付けもない。自分の身体と対話しながら,少しずつ無理なく進めて来たので,長い時間がかかった。人に勧めるわけにはいかない。しかし,今,脚の膝周りや足首,足裏などいろいろな個所が,身体の動きに対して反応し,身体を支えてくれているし,歩きながらでもサッサと足が出る。後足もしっかり伸びるし,石段の上り下りにもショックなくジワッと降りたりスッと上がったりできるようになっている。自分のやり方そのものは間違っていないと思う。そして高齢期がさらに進むにつれての自分の行動についての自信を持ちたいと思うのである。