jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

舗装のアスファルトは地球に優しいのか--石油由来で摩耗して粉になり環境に撒き散らかされる

かつて,アスファルト舗装といえば,夏場には暑さで溶けて軟らかくなり,靴底に黒いタールがくっついて困った時代があった。1960年ごろのことである。当時,夏といっても気温は30℃を超すか超さないか程度だった。アスファルトの中の気泡が膨れて盛り上がっていたことを思い出す。

 現在のアスファルト塗装でこのようなベタベタなものは見かけなくなった。配合する砂などとうまく処理できているのだと思う。コンクリートに比べて補修がしやすいことで,道路を中心に世界中で広く使われている。原油からガソリンなどの高級オイル分を取り出した最終残留物のタールの利用先としては,非常に便利な素材である。

 一般的に,車道はクルマの乗り心地の快適性が必要なので,細かい砂を配合して平らに舗装しているようである。一方,歩道側は人と自転車が走る程度なので,砕石を多く混ぜて舗装することが多いように思える。時間が経つと,歩道に小石がゴロゴロと露出し,靴底にその凹凸が当たるようになる。自転車で走っていても,ガタガタと感じる。まして,スケートボードや車イス,シニアカーなどは乗り心地が悪いと思える。

 アスファルト舗装も,10年もすれば劣化してガタガタになってくる。毎年年末になると,公共事業の恒例のようにあちこちで道路の補修工事が行われるが,全体的にもクルマのタイヤが当たるところが轍(わだち)となって凹んでくる。

 この劣化したアスファルトはどこに行くのか考えたのだが,少しずつ摩耗して,粉となって周囲に飛散することになる。その行き着く先は,やはり海である。アスファルトはもともとは地球にあった大木や大量の動物の死骸から地球が作り出した石炭や石油から作った物質だが,微細化しても自然に帰ったというわけではない。

 世の中で「マイクロプラスチック」が問題視されているが,それはレジ袋やプラスチックストローはその一角に過ぎず,量的には漁網やタイヤの摩耗粉の影響が大きいことは以前に紹介した(マイクロプラスチックの元凶をもう一度考える--レジ袋もストローも関係なし - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/6/5)。しかし,このアスファルトの摩耗粉も,回り回って海洋汚染に関わっている可能性もある。また粉塵が直接,人間や動物が吸い込んだり,植物が栄養素として吸収したものが,動物に回ってくることも考えられる。

 やはり,産業革命以降の150年という人間が自然を支配してきた短い期間の間に,地球環境は大幅に変わってきたと考えるのが自然だと思われる。当初は,地球の免疫力で抑えられてきた影響が,蓄積が進むにつれて抑え切れなくなったのが,現代の地球温暖化や環境破壊につながっていると考えられる。

 かつて,パソコンの開発で一財産を作ったMicrosoftの創業者ビル・ゲーツは,現在は医療支援の財団を作って何等かの恩返しをしようとしているように思える。現在で言えば生成AIで大儲けをしようとしている企業が浮かれだっている。筆者は生成AIの開発には反対の立場だが,その儲けを環境破壊の保全の解決に役立ててくれることを願っている。金持ちは,大所高所から考えるべきなのである。それができない金持ちは,ただのカネの亡者であり,人間としての価値はないと思うのである。