コロナ死者、年間3万2千人 5類移行後、インフルの15倍:東京新聞 TOKYO Web (2024/10/24)。こんなタイトルの記事が,各新聞やテレビニュースで報じられた。出元は厚生労働省の人口動態統計とのことである。死者数が計3万2576人。死亡者のうち約97%が65歳以上だという。同期間のインフルエンザの死者数は2244人である。
集計期間は,2023年5月~2024年4月。この期間は,新型コロナ禍は第9波と第10波が連続して2つの大きな山を作っている。これに対して,インフルエンザは12月をピークとした山1つである。

感染者数は,この期間を計算すると,新型コロナが2,972,714人,インフルエンザは3,854,000人と,インフルの方がやや多い。山は1つで,ピークも同じぐらいの高さだが,インフルエンザの方が短期で集中して感染したと理解できる。
特効薬が使われるインフルエンザでも,年間2000人を超える死亡者が出ているという現実をまず覚えておかなければいけない。おそらく,アメリカでは年間8000人ぐらいは亡くなっており,それに比べれば日本は少ないのだが,それでも油断はできないことを示している。
まして,特効薬もなく,ワクチン接種に対してもおかしな風評が出回る新型コロナである。同期間はワクチン接種がほとんど行われておらず,期間以前の免疫だけで過ごしていることで,感染後の重症化からの死亡というリスクが高まったものと思われる。
厚労省がこうした数字を発表した意義は大きいと思うのだが,ならば高齢者のワクチン接種を再度無償化し,定期接種の案内発送を再開する,という方向性を出してもらいたいのだが,官僚の権限ではそういうコメントができないのかもしれない。しかし,政治に関係なくコメントはすべきだと思うのである。だから官僚はダメだと言われるのではないのか。マスコミは,ただ発表を流すだけでなく,ここはコメントすべきだろう。だからマスコミもダメだと言われるのである。
マイコプラズマ肺炎も急増している(2024年はマイコプラズマ肺炎が大流行中--細菌感染なのでマスク着用が絶対有効だが,相変わらずの非着用状態 - jeyseni's diary 2024/10/20)。新型コロナが現在,うまく減少していることを受けて,もしこの冬にかけて新型コロナ,インフル,マイコの三重感染が起きないとも限らない。せっかくの国産レプリコンワクチンを緊急でも高齢者に無償接種することと,マスク,換気の呼びかけを再開することを強く望む。これができなければ,厚労省もマスコミも,そして次期政権も,無能と評価せざるを得ない。