jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

年末のテレビ特番で静かな連続モノに出会う--「孤独のグルメ」と「72hr」

高齢者は,年末といえばNHKの「紅白歌合戦」と「ゆく年くる年」を視てきた。しかし,紅白歌合戦はもう10年以上視ていない。ワンパターン過ぎたり,やたらに若者受けしようと構成を凝り過ぎたりしたのが鼻についたからである。2024年の年末は,元ジャニーズのグループが全員出場しないことを知り,まったく関心が湧かなかった。筆者よりも高齢の方にとっての演歌歌手も,御大が出なかったりして面白くもなくなっている。曲間に行われる応援パフォーマンスも,内容がくだらなくなっている。近年のNHKの芸人MC採用の弊害だと思う。

 その中で,意外に面白かったのが,テレビ東京の「孤独のグルメ」とNHKの「ドキュメント72時間(72hr)」の総集編だった。

 「ドキュメント72時間」は,食堂や書店,ガソリンスタンドなど,いろいろな人が入れ替わり立ち代わり訪れる場所に3日間,取材クルーが入り,客をインタビューする。さまざまな人生の話が出てくる。「孤独のグルメ」はコミックがベースの実写ドラマで,主人公の松重豊さんがいい味を出している。

 72hrでも食堂の場面が多い。普通の食堂だったり,飲み屋だったり,ほかにもドライブイン自動販売機などもある。孤独のグルメも,高級店ではなく,街の食堂がほとんどである。いずれの企画も「どこにでもありそうな場所」をうまくピックアップしている点が親しみやすいのだと思う。

 近年の食べ物番組が,高級店ばかり対象にするか,一方では大盛店や激辛店など,極端な志向に走っているのが気に食わない。日本の食糧自給率が相変わらず低く,2024年は前年の猛暑がたたって不作になったコメ,漁業の不漁など,身近に食糧危機の話題があるというのに,一部のハイソな人たちだけがカネを出せば不自由なく暮らせるという矛盾した社会になっている。世界を見れば,さらに食べるモノに苦しんでいる人たちがいるほか,ウクライナガザ地区のような戦争状態で食べられない人々が山のようにいるというのに,いい気なものである。これを仕掛けるテレビ局やプロダクションも浅はかなら,それに乗せられる芸能人,芸人もどうかしていると思うのである。

 一般のお客や普通の食堂の主人を映像として伝えるには,個別に交渉する必要もあるだろう。筆者のように街角インタビューや選挙の出口調査などをことごとく拒否している人間もいるので,10人交渉して2人ぐらいしか話を聞けないかもしれない。有名人の出演交渉ならギャラで決まるが,それよりももっと面倒な仕事になる。そこから生まれた映像に,多少の脚色は入っているにしろ,よくできた構成になっていると思う。

 お笑い芸人による絶叫番組が林立している中で,これらの静かな連続モノに,好感を覚える。ドキュメントの強さだと思う。今後も期待したい。

 年末番組では,3人の掛け合いがユニークな「ザワつく金曜日」がかなり評価が高い。筆者も以前は楽しんでいたのだが,クイズの勝者がグルメを食べられるといったワンパターンに陥ってしまい,面白くなくなった。年末特番ではゲストを招いての構成にして盛り上げているが,メインとなる3人のハイソぶりが鼻につくようになっているのが残念である。