jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

火災に江戸時代の知恵「破壊消火」--山火事では防火帯を素早く作る重機の装備を

火事・山火事に「破壊消火」。江戸時代に学ぶ - jeyseni's diary と書いたのが2021/8/11である。一般火災においても,消火に数時間かけている間に家屋はほぼ原形をとどめなくなる。建物が立っている状態で家屋から炎が吹き出し,また火災による熱が隣り合う建物にも影響を与える。このことで隣の家が延焼しやすくなる。実際,火災が長引けば長引くほど,延焼の可能性が高まり,さらに消火が難しくなる。そこで,火災を起こしている家屋での被害者が救出できた段階で,家屋を取り壊すことで,燃えやすい部材を取り除き,また高さを落とすことで消火を早めることができ,さらに隣り合う建物への延焼の可能性が低くなる。

 江戸時代の都市火災に対して大火事に拡大させないように,まだ燃えていない家を取り壊して防火帯を作るのが当たり前に行われていた。

 山火事においても,火災が広がる方向に防火帯を作るのが原則だと思う。そのためには専用の重機の導入が求められる。近年,高性能林業機械とは:林野庁 の導入が進んでいる。その最たるものが「ハーベスタ」と呼ばれる機械である。樹木を掴み,数秒で切断し,掴んだまま枝打ち,一定サイズへの分割を連続して行う。

 林業の見直しが叫ばれている中で,こうした新しい林業機械の導入が進んでいる。こうした機械の導入によって早い段階で防火帯を作るという対応が1つの手段として使えるのではないだろうか。山火事における水を使った消火は,ヘリコプターからの大量散水が基本だが,連続的に水をかけられないため効果に限界がある。散水と同時に防火帯の設置によって一定範囲で火災被害を食い止める対策が必要なのではないかと考えているのだが,実際には日本には森林火災に対する専門の組織がない。森林の保全と同時に緊急時の対応についてのシステムを作らなければならない。

 岩手県の山林火災も,これほど広がってからでは防火帯を設けるのはかなり難しいが,今からでも遅くないという気がする。素人考えで申し訳ないが,いまこそ全国の林業関係者が協力して消火に参集してほしいと思う。