jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

小型・薄型カメラに悩む--日本製コンデジが壊滅状態

スマートフォンを持ち始めてから,デジタルカメラの出番が極端に少なくなった。スマホのカメラ機能が,想像以上のスピードで向上し,画素数,ズーム比率,そして各種の処理においてもコンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)を抜き去ってしまった感がある。

 個人的な感覚で言えば,スマホのユーザーメモリーは16GBもあれば十分だろうと思っていたし,筆者自身はまったく困らない容量だった。ところが,現在のスマホ写真の撮り方が「連写」「オートブラケット」「タイムラプス」「動画」などが主流であり,1つの被写体に対して何倍もの容量が必要になる。そのことを知らされたのが,子供のスマホで,まず動画撮影をすることが標準的な使い方になっていた。

 性能的に,スマホのカメラ機能にほとんど文句をつけようがなくなっている。常に持ち歩いているし,撮影後のプレビューも簡単にできる。手振れ補正,露出補正,トリミングなど,ユーザーが使いたいような設定ができる。

 しかし,筆者からすると,スマホで写真を撮ろうとすると,カバーを開き,電源を入れ,パスワードを入れて初期画面を出し,次にカメラアイコンをクリックして,撮影画面を出し,そこでようやく被写体と向き合うことになる。この何項目もの手間により,被写体の撮りたい瞬間を逃してしまうことがたびたびあった。特にAndroidスマホは画面切り替えの動作が遅いのかもしれない。

 一方,コンデジは基本は写真専門なので,電源をオンにしたらすぐに写真撮影モードになる。動画モードにするには切り替えればいいが,最初は写真モードである。ところが,ほとんどのデジカメはレンズ性能重視なのか,レンズの付いた鏡胴がせり出すモデルである。このため,電源を入れても鏡胴がせり出す1秒ぐらいの間は撮影ができない。しかも,この状態だと厚みも本体の2倍以上になる。スタンバイした状態でポケットに入れておく,といった使い方ができない。

 コンデジで鏡胴がせり出さないモデルもいくつかあるが,激レアである。ほとんどのコンデジニコンキヤノンソニーパナソニックオリンパス富士フイルムといったカメラメーカーが作っているため,どうしてもこういう形になってしまう。

 一方,スマホカメラも,当初は画角の変わらない単焦点レンズで,デジタルズーム機能が備わっていた。この場合は,ズームした場合の画素数が少なくなり,画質が悪くなる。そこで編み出されたのが,複数のレンズを横に並べた複眼レンズである。広角側と望遠側の2つ,あるいはさらに超広角など3つのレンズを並べたモデルも登場した。複眼化することで,被写体の立体情報を取得することもでき,撮影後にピント位置をずらしたりできるようになった。コンデジではこの機能は実現できていない。

 小型という意味では,GoProに代表されるアクションカメラも使われるようになっている。普通のハイビジョンテレビから4K画質の中継まで使えるほどの画質となっており,写真撮影でも問題はない。レンズは基本は超広角の単焦点で,レンズにフィルターを加えることで画角をやや狭めたりできている。また画素数が多いのでデジタルズームでも十分な画質になる。アクションカメラは電源オンですぐに撮影状態になるモデルが多いが,形状的にはサイコロ状になっており,携帯性が今一つであることと,ヘルメットや自転車のハンドルなどに取り付けることを前提としているため,デジカメのようなハンドストラップを取り付けたり,首から下げるといった使い方がしにくいという感想を持っている。

 かといって,メガネ型やペン型のスパイカメラは,怪しまれたり,犯罪行為と取られかねないので下手に購入・使用はできないと思っている。

 こうしたさまざまな条件を考えると,小型・薄型でモニター付きのアクションカメラや鏡胴式でないデジカメがないかと探したところ,今のところ日本のカメラメーカー製の製品では見つからなかった。候補として,最近のスマホのような複眼レンズを搭載した薄型デジカメと,クリップでポケットに留められる小型アクションカメラを見つけた。いずれも中国製である。こういうユニークな発想ができるモノづくりは面白い。

 ところが,いざ取り寄せてセットアップをしてみたところ,いずれも初期不良に見舞われた。ここのところ,クルマ用のディスプレイオーディオでも不良品に当たったりして,ちょっと凹んでいたのだが,またまた初期不良品に当たってしまった。ただ,いずれも問題点として,電源オンオフ時のアラート音やシャッター音が予想外に大きく,またその調整もできないことが分かり,返品・返金をリクエストすることになった。

 包装もしっかりしているし,ケーブル類の結束もきれいにまとめてあるなど,作りそのものは実に精密で丁寧な商品に仕上がっている。傷防止のシール類もきちんと貼られている。しかし,性能的には細かいところにまで気が回っていないのかもしれない。

 その中国が,経済に急ブレーキがかかっているのに加えて,アメリカのトランプ大統領による関税倍増の20%政策が始まり,さらに経済にマイナスに働くことが予想される。建築不況だけでなく,モノづくり産業にも影が落ちてきている。モノの品質が今後どうなるか分からないが,少なくとも現在の商品クオリティは維持してもらいたいものである。正直,もはや日本で同等の高い品質の製品づくりはできないと思うからである。